RAMとはメモリ?ROMとストレージとはなにが違う?
どのように動作する?
2023.11.01(WED)
2024.04.30(TUE)
パソコンだけでなく、スマホやタブレットなどのスペックで、RAMという言葉をよく見かけます。RAMとはメモリを意味していますが、正確にはさまざまな種類があります。RAMとはどういうものなのか、わかりやすく基本から解説します。
目次
RAM・ROM・ストレージの違いと意味

パソコンやスマホのスペックを見ていると、RAM、ROM、ストレージなどの単語が出てきます。これらには、どういった意味があるのでしょうか。RAMやRON、ストレージはどういったものなのか、そしてそれぞれの違いについてわかりやすく解説します。
RAMとは

RAMとはRandom Access Memoryの略称で、パソコンが一時的にデータを保管するためのパーツを意味します。一般的には、メモリと呼ばれます。
パソコンが動作しているとき、一時的にデータを保管する領域としてRAMとストレージがあります。RAMのほうがはるかに高速でアクセスできるため、できるだけRAMにデータが保管されるように、大容量のRAMをパソコンに搭載すると快適に動作するようになります。
RAMは、電源を切ると保管していたデータがすべて消える仕組みになっています。そのため、揮発性メモリともいわれます。電源を切っても消えないデータは、ハードディスクやSSDなどのストレージに記録されます。
ROMとは

ROMはRead Only Memoryの略称で、読み出し専用のメモリのことです。揮発性メモリのRAMに対して、不揮発性メモリとも呼ばれます。電源を切るとデータが消えてしまうRAMと違い、電源を切ってもROMに記録されているデータが消えないのが特徴です。
パソコンに搭載されているROMには、起動に必要な基本的なプログラムが記録されています。このプログラムは、ユーザーが書き換えることはできません。
このように、ROMとRAMはどちらもパソコンの動作に必要なメモリですが、使われ方と特徴がまったく異なります。
ROMはパソコンに搭載されているものばかりではありません。さまざまな電化製品にも搭載されており、ROMに記録されているプログラムをもとにして動作しています。
ストレージとは

ストレージは、データを保存するパーツのことをいいます。一般的には主にパソコンで使われている、HDDやSSDがストレージにあたります。ストレージは、写真や文書、音楽ファイルなど、ユーザーが作成したデータを長期間保存する役割があります。RAMのようにデータを書き換えることはできますが、電源を切ってもデータはそのまま保存されています。大量のデータを保存できるのもストレージのメリットですが、RAMと比べるとデータの読み書きの速度は遅いのが欠点です。
ROMのひとつであるフラッシュメモリは、書き換えが可能なうえに電源を切ってもデータが保存されています。そのためROMでもストレージとして扱われるものがあります。身近なものではSDカードもROMにあたり、パソコンでマウント(認識)すればストレージとして使うことが可能です。
スマホやタブレットのRAMとROMの意味
スマホやタブレットでは、RAMとROMは少し違う意味で使われています。RAMはパソコンと同じ、一時的にデータを保管するものとして扱われています。RAMの容量が多ければ、それだけ快適にスマホが動作します。
一方でROMは、スマホやタブレットだとストレージを意味します。パソコンと違って、ROMに保存されるデータはユーザーが自由に読み書きできます。これはスマホで使われているストレージがフラッシュメモリで、広い意味でROMにあたるためです。
スマホやタブレットのスペックを見るとき、ROMはデータを保存できるスペースの大きさと理解するとよいでしょう。
例外的なRAMに注意
RAMという名前ではあるものの、厳密にはRAMとは異なるものもあります。そのひとつが、DVD-RAMです。DVD-RAMは光ディスクの一種で、書き換え可能な記録メディアです。DVD-RAMは本来のRAMと異なり、電源を切ってもデータが消えません。また、読み書きの速度もRAMと比べると非常に遅いです。
DVD-RAMは光ディスクに直接データを書き込むため、読み書きの速度に物理的な制限があるためです。いわゆるメモリとしてのRAMとはまったくの別ものと理解しましょう。
RAMには種類がある
RAMにはさまざまな種類があり、主なものに電力を供給し続けることでデータを保持するDRAMや、高速で電力をあまり消費しないSRAMがあります。また、基板の形状によって分類もされます。さまざまなRAMの種類について紹介します。
DRAM
DRAM(Dynamic RAM)は、コンピューターの主要なメモリで、プログラムや作業データを一時的に保管する役割を担っています。主にCPUと密接に働き、データの読み書きを高速に行います。この高速性がコンピューターの動作速度を左右するため、DRAMの性能は非常に重要です。
DRAMには揮発性という特徴があり、電源が切れると保管していたデータはすべて消えてしまいます。電気が供給されているあいだだけデータを保持し、電気がなくなるとデータが消えるのです。
また、DRAMはリフレッシュを必要とします。リフレッシュとは、データを保持し続けるために、電力を定期的に供給し直すことでし。このリフレッシュは数ミリ秒ごとに行われ、これによってDRAMは情報を失わないようにしています。
SRAM
SRAM(Static RAM)は、コンピューター内部でデータを一時的に保存する役割を持つメモリのひとつです。DRAMと違ってリフレッシュが不要で、電力が供給されている限り、データを保持できます。
SRAMの最大の特徴は、アクセスの速さです。DRAMと比べて読み書きの速度が速く、CPUのキャッシュメモリとしてよく使用されます。キャッシュメモリとは、CPUが直接アクセスする一時的なデータの保管場所で、ここには頻繁に使用されるデータが保管されます。高速にアクセスできるため、こういった重要な場所でSRAMは利用されているのです。
ただし、DRAMと比べてSRAMはコストが高くなります。そのため、すべてのメモリをSRAMにすることはなく、DRAMが用いられています。
SIMMとDIMM
SIMMとDIMMは、RAMを構成するチップが搭載されている基板の形状をあらわします。
SIMMは基板の両面の回路が連結された仕組みになっています。そのため、片面だけを利用することができませんでした。DIMMは新しい形式で、両面の回路が独立しています。つまり、両面を別々に利用できるため、情報の読み書きが両面同時に行え、結果として速度が向上します。
こういった形状の違いから、SIMMとDIMMは互換性がなく、同じメモリスロットに挿入できません。また、パソコンの高性能化に寄与するため、現在ではDIMMが主流となっています。
SDRAMの規格
いまパソコンではDRAMの規格のひとつ、SDRAM(Synchronous Dynamic RAM)が一般的に使われています。効率的にデータを転送できるようになっており、DRAMより高速なアクセスが可能となりました。
そしてより正確にいうと、SDRAMを発展させた規格であるDDR SDRAM(Double Data Rate SDRAM)が主流となっています。DDR SDRAMはSDRAMよりアクセスが速いのが特徴です。
DDR SDRAMはいくつかの世代に分かれており、世代が変わるごとにアクセスの速度が速くなっています。注意が必要なのは、異なる世代のメモリを混在させられないことです。つまり、新しいパソコンを購入しても、世代が異なればそのメモリを流用できないのです。
そもそもメモリのピンの数やメモリスロットの形状が異なるため、もっとも新しいDDR5に対応するマザーボードには、ほかの世代のメモリを増設できません。
まだDDR4のSDRAMを使用しているパソコンは少なくありませんが、徐々に最新のDDR5へと変わっていくでしょう。パソコンを新しく購入するときは、DDR SDRAMの世代にも注意して下さい。
ちなみに、メモリの価格はDDR5よりDDR4のほうが安くなっていることが多く、パソコンを購入する費用を抑えるために、あえて一世代前のメモリを採用するパソコンを選ぶのもひとつの方法です。
RAMが不足するとパソコンの動作が重くなる

RAMの容量はパソコンの快適さに大きく影響します。パソコンの動作が重く感じるとき、RAMが不足しているのかもしれません。それにどう対処すべきか、また最新のWindows 11ではどのくらいのメモリが必要なのかなどについて解説します。
RAM不足でパソコンが重くなるのはなぜ?
パソコンの動作を重く感じる理由のひとつは、RAMの不足です。RAMはパソコンが現在実行しているプログラムのデータを一時的に保管する役割を果たします。たとえば、Webサイトを閲覧していたり、文書を作成したりするとき、その情報はすべてRAMに保存されています。
RAMの容量が不足すると、新たにソフトを起動したとき、RAMに保存されているデータをどこかに移さなければならなくなります。そのため、パソコンはSSDなどのストレージにデータを移す作業を行います。しかし、ストレージはRAMに比べるとアクセスが遅いため、結果としてパソコン全体の動作を重くしてしまうのです。この現象はページングやスワッピングと呼ばれ、メモリの容量を超えたデータの取り扱いを指します。
RAMが足りない!ときの対処法
パソコンが遅く感じるとき、まず確認するべきはRAMの使用状況です。タスクマネージャーなどのツールを使うと、どのプログラムがどれくらいのRAMを使っているかを確認できます。RAMが足りていない場合は、次の対処法を行いましょう。
もっとも簡単な方法は、いま使用しているソフトを終了することです。特に複数のソフトやWebブラウザのタブを開いていると、それぞれが大量のRAMを消費します。なるべく少ない数のソフトで操作することで、RAMの消費を抑えられます。
また、パソコンを再起動するのもよいでしょう。再起動によってRAMの情報がクリアされ、新たにRAMを確保できるようになります。
しかし、これらの対処法が一時的なもので、頻繁にRAM不足になる場合は、根本的な解決策としてRAMの増設を検討する必要があります。
タスクマネージャーを起動するには、次の手順どおりにWindowsを操作して下さい。
1.スタートボタンを右クリック
2.表示されたメニューの「タスクマネージャー」をクリック
3.左メニューの「プロセス」をクリック
タスクマネージャーのプロセスを表示させると、いま動作しているプログラムがどれくらいメモリを使用しているのかがわかります。終了させたいプログラムを選択して右クリックして表示されたメニューの「タスクの終了」をクリックすると、プログラムを終了できます。
なかには、どういった用途で使っているか判断できないプログラムもあるため、そういったものを終了させるのは避けて下さい。思わぬ不具合が生じて、正常にWindowsが動作しなくなるおそれがあります。
Windows 11なら8GB、16GB以上がおすすめ
新しいパソコンを購入するときは、必要なRAMの容量をよく考えることが大切です。特にWindows 11を使う場合は、メモリ容量を多めに見積もりましょう。
Windows 11は、豊富な機能と快適な操作性を実現するために、多くのメモリを使用します。複数のソフトを同時に使用するような環境で、パソコンの快適な動作を保つには、少なくとも8GBのメモリは必要でしょう。
しかし、よりスムーズな動作を望むなら、16GB以上のメモリを搭載したパソコンをおすすめします。特に重いソフトを使用するときや、ゲームを楽しむときは、16GB以上なければ快適に操作できないことがあります。自分の用途に合わせて、適切なメモリ容量を選ぶことが大切です。
パソコンのRAMの容量を確認する方法
パソコンにどれだけのRAMが搭載されているかを把握しておきましょう。搭載しているRAMがわかれば、RAMを節約した使い方ができますし、パソコンを買い替えるときの目安にもなります。RAMの容量を確認する方法はとても簡単です。
1.スタートボタンを右クリック
2.表示されたメニューの「システム」をクリック
3.「実装RAM」に記載されている容量を確認する
実装RAMに記載されている容量が、パソコンに搭載されているRAMの容量です。もしいま使っているパソコンがWindows10でRAM不足を感じているのなら、買い替えるときはもっとRAMを搭載したほうがよいでしょう。同じ容量だとまたRAM不足になるおそれがあります。
おすすめのメモリ容量

パソコンを購入するときに、どれくらいメモリを搭載していればよいのか目安を紹介します。メモリは多ければ多いほどよいのですが、それだけパソコンが高価になってしまうため、適切な容量を見極めることが大切です。
購入する前に自分にとって必要なメモリ容量を、チェックしておくことをおすすめします。
8GB 必要最低限。あまりパソコンを使わない人向け
メモリ容量8GBは決して多いとはいえず、ふだんからパソコンを使っている人にはあまりおすすめできません。しかし、ほとんどパソコンを使わず、ときどきインターネットでの手続きやWebサイトの閲覧、動画再生、書類作成などを行う程度であれば、購入費用を抑える意味ではひとつの選択といえるでしょう。
スマートフォンがあればほとんどの用途に対応できるものの、ときどきどうしてもパソコンが必要になることがあります。そういったときだけのためにパソコンを購入するのであれば、できるだけ価格を抑えられるメモリ容量8GBはおすすめです。
16GB 一般的な用途向け。パソコンを快適に使いたい人向け
色々な用途に対応できるため、メモリ容量16GBは多くの人におすすめできます。書類作成のようなあまり負荷のかからない用途では、メモリ不足になることがほとんどないため快適に使用できるでしょう。
また16GBは、複数のソフトを起動したり、クリエイティブ系のソフトを使用したりするのにも問題ない容量です。動画を編集するほか、パソコンでゲームを遊ぶのにも十分足りるでしょう。
メモリ不足に悩まされることなく、パソコンを快適に使うのであればメモリ容量16GBは最適といえます。これ以上の容量は、パソコンの用途がはっきりと決まっている人向けです。
32GB~ ヘビーユーザー向け。大容量データを扱う人向け

32GB以上の大容量メモリは、パソコンに大きな負荷がかかることがわかっている人向けです。たとえば、高画質の動画編集をする、ゲームを最高画質で遊ぶ、AIなどで巨大なデータを扱うなど、一般的な用途を多く越えるときに検討すべきメモリ容量です。
特にパソコンの用途が明確でなかったり、それほど負荷のかかる用途でなかったりするのであれば、32GBものメモリ容量は必要ないでしょう。高価なパソコンを購入したにもかかわらず、メモリを使い切れなくて持て余してしまうかもしれません。
ただし、スペックの高いパソコンを購入して、長く使い続けるつもりでいるのであれば、今後に備えるという意味で大容量メモリにするのはおすすめです。
NEC DirectでRAMの容量をカスタマイズできる!
NEC Directでは購入するパソコンのカスタマイズが可能です。自分の求めるスペックのパソコンを探す必要はなく、CPUやRAMの容量を自分好みにカスタマイズして購入できます。
カスタマイズのもとになるパソコンを選んだら、あとはCPUやRAMなどを自分の好みに合わせて変更するだけです。スペックを変更したら連動してカスタマイズした価格が表示されるため、予算オーバーしているかどうかも簡単にチェック可能です。購入予算とスペックのバランスを見ながら、自分だけのパソコンにカスタマイズしてみましょう。
LAVIE Direct N15 Slim

LAVIE Direct N15 Slimはスタンダードなノートパソコンで、15.6型ワイドディスプレイを搭載しているため、広々と画面を使って作業を行えるのがポイントです。じっくりと作業に向かいたい人には、ぴったりの一台です。Excelなどの表計算ソフトを使ったり、PowerPointでプレゼン資料を作成したり、書類作成の作業を快適にしてくれるでしょう。
インテル® Core™ i7をはじめとする高性能なCPUを選択できるため、動画編集やイラストの作成、画像の加工などクリエイティブな作業にも対応できます。メモリは8GBまたは16GBを選択できます。そのため、Windows 11でも快適な操作することが可能になるでしょう。
LAVIE Direct NEXTREME Carbon

LAVIE Direct NEXTREME Carbonは携帯性に優れたモバイルノートで、重量はわずか約929gと1kgを切る軽量さにもかかわらず、ディスプレイは14型ワイドと作業に十分な広さを備えています。しかも堅牢性に優れているため、衝撃で破損するおそれを抱くことなく、安心して毎日持ち運ぶことができるでしょう。
どこへ行っても変わらない、快適な環境で作業をしたい人におすすめのパソコンです。メモリは16GBまたは32GBを選択可能で、LAVIE Direct NEXTREME Carbonがあればどのような場所であっても、ストレスのない快適な作業環境を実現できます。
LAVIE Direct A27

27型ワイドという大型ディスプレイを備える、LAVIE Direct A27は一体型のデスクトップパソコンです。一体型なのでデスクトップパソコンなのに、わずらわしいケーブルを最小限に抑えられます。デスクまわりをすっきりさせたい、ケーブルに邪魔されたくない人にぴったりです。また、臨場感あふれるYAMAHAサウンドシステムを採用しているため、LAVIE Direct A27があれば迫力ある映像体験を実現します。
メモリは8GB~32GBまでが選択できるため、自分の用途に合わせて幅広く容量を決められます。動画編集や写真の加工をしたいなら、少し多めに搭載するのが、快適な作業環境を実現するポイントです。
お買い得セールならRAM容量をカスタム可能
NEC Directでは、常にお買い得セールを実施しています。モデルチェンジなどでちょっと型落ちになったパソコンを、リーズナブルな価格で買えるチャンスです。型落ちとはいっても、1世代、2世代程度なら、最新のパソコンと大きな性能差はないため、かなりお買い得といえるでしょう。
しかも、お買い得セールで販売されているパソコンは、カスタマイズが可能です。CPUやメモリを変更するなどして、自分が納得できるパソコンを購入できるのです。メモリを大容量にすれば、長く使える一台になるでしょう。
セールの対象になるパソコンは定期的に入れ替わっています。狙っていたパソコンがセールになっていないか、ときどきチェックしましょう。