ファームウェアとはなに?
アップデート・更新はしたほうがよい?
2023.12.13(WED)
2023.12.13(WED)
パソコンを使っているとときどき「ファームウェア」という言葉を目にすることがあります。ハードウェアに関連する言葉だとはわかりますが、詳しく解説されることはほとんどありません。ファームウェアとはどういうのなのでしょうか。
目次
ファームウェアとは

ファームウェアはソフトウェアのひとつですが、Windowsなどで使用しているソフトウェアと違い、ユーザーが直接目にすることはありません。ファームウェアとはどういうもので、どういった働きをしているのかを解説します。
ファームウェアとはハードウェア用のソフトウェアのこと
ファームウェアをひと言でいうと、「ハードウェアを動かすためのソフトウェア」のことです。ファームウェアはコンピューターや家電製品といった、機械を制御する役割を担っているのです。
たとえば、電子レンジを使うときに時間を設定し、スタートボタンを押すと食品を加熱するための動作がはじまる、といった一連の流れはファームウェアの働きによるものです。スイッチを入れたら動作するといった機械の動作は、ファームウェアによって制御されているのです。
ユーザーはただ機械を操作するだけでよいため、ファームウェアがどういった働きをしているのか意識する必要はありません。あくまでも裏側で役目を果たすソフトウェアが、ファームウェアなのです。
OSとの違い
ファームウェアとよく似ているものに、WindowsをはじめとするOSがあります。どちらも電子機器やコンピューターの動きを制御する、重要な役割を果たすソフトウェアという共通点があります。ファームウェアとOSは、どこが違うのでしょうか。
OSはパソコンなどの基本的な動作を制御し、ソフトウェアが動作する環境を提供しています。ファームウェアは特定のハードウェアを動かすためのソフトウェアで、製品ごとに最適化されています。
つまり、OSはさまざまなソフトウェアを動かすための場を提供し、ファームウェアは特定の機器を動かすためだけのものという違いがあるのです。このように、ファームウェアとOSは制御するという共通点はあるものの、担っている役割が異なっています。
ドライバーとの違い
ドライバーも機械の働きを制御するソフトウェアで、WindowsなどのOS上で機械を認識し、制御する働きをしています。このようにドライバーもまた、ハードウェアを制御するという意味でファームウェアと似た働きをしています。
ファームウェアとドライバーの違いは、ドライバーが働くのはあくまでもOS上という点です。ドライバーがOS上でハードウェアを制御するのに対して、ファームウェアはハードウェア上で制御する働きをしているのです。
パソコンに電源を入れて起動したとき、まず動作するのがファームウェアで、ドライバーはWindowsなどのOSが起動したあとにハードウェアを制御しています。
組み込みソフトウェアとの違い

ファームウェアとは別に、組み込みソフトウェアという言葉があります。組み込みソフトウェアとは、電子機器や家電製品のなかに「組み込まれている」ソフトウェアのことです。たとえば、洗濯機や電子レンジ、テレビなどのなかには、その機械特有の動作を制御するソフトウェアが搭載されています。これが組み込みソフトウェアです。
ファームウェアと組み込みソフトウェアは、どう違うのでしょうか。ファームウェアもハードウェアの基本的な動作や制御を担当するソフトウェアですが、更新や変更ができる点が特徴です。一方、組み込みソフトウェアは、製品が持つ基本的な機能を果たすためのもので、基本的には更新されることはありません。
気にしすぎなくても大丈夫
ファームウェアは多くの場合、気にしなくても問題ありません。多くの電子機器や家電製品は、購入したときの状態で問題なく動作するためです。ほとんどの人は、ファームウェアのことを気にすることなく、製品の寿命まで使い続けることになるでしょう。
しかし、まれにファームウェアに対して、何らかの操作を求められることもあります。たとえば、深刻なバグが見つかったときや、新しい機能を追加するときなどです。放置していると深刻な被害を受けるおそれがあるときは、更新などの作業が必要になります。そういったときは、メーカーのサポートページなどを参考にして、ファームウェアの更新を行えばよいでしょう。
ファームウェアはどこに使われている?

身近な機器のほとんどに、ファームウェアは使われています。どんなところでファームウェアが使われていて、どんな働きをしているのでしょうか。ファームウェアが使われている機器と働きについて紹介します。
マザーボードのBIOS・UEFI
パソコンのマザーボードには、BIOSやUEFIというファームウェアが内蔵されています。UEFIとはBIOSが進化したもので、いま使われているマザーボードはほぼUEFIが使われています。BIOSと読んでいても、実際はUEFIのことを指していることが多いです。
UEFIはパソコンを起動したときの初期動作や、ハードウェアの設定を管理するファームウェアです。必要であればUEFIを起動して設定を変更できますが、一般的なユーザーが操作することはほとんどありません。
プリンター・複合機
プリンターや複合機といった印刷機器でも、ファームウェアは組み込まれていて、スムーズに印刷ができるように動作しています。たとえば、印刷の命令を受け取ったら、どのように紙を引き込み、どのようにインクを塗布するのかといった動作を正確に制御しています。
また、ネットワーク機能がついている製品では、Wi-Fi接続やデータ送信などの動作もファームウェアが管理しています。ファームウェアのおかげで、ソフトで指示をすると印刷やスキャンなどの作業を行えるのです。
Wi-Fiルーター
Wi-Fiルーターはパソコンやスマートフォンなどを、無線でインターネットへと接続する機器です。このWi-Fiルーターも、ファームウェアによって制御されています。
ファームウェアはWi-Fiルーターに接続する機器が安心して通信を行えるように、通信データの管理やデバイス同士の通信などをサポートしています。また、セキュリティの強化などのために、ファームウェアの更新が提供されることがあります。更新することで、より快適に、そして安全にインターネットを利用することができます。
NAS(ネットワークストレージ)
NASとは限られた範囲内のネットワーク内に設置される、データを共有するためのストレージです。複数のデバイスからアクセスできるため、共有したいデータの保管、デバイス内のデータのバックアップなどに使われます。
ファームウェアはNASに接続するデバイスとのデータ通信、安定した接続、セキュリティなどをサポートしています。これにより、複数のデバイスが接続しても安定して、データへアクセスできるようになっているのです。
デジタルカメラ
デジタルカメラは写真を撮影するための機器ですが、そのなかにもファームウェアが組み込まれています。ファームウェアは、カメラの基本的な操作や機能を支える重要な部分を担っています。シャッター速度やISOの設定、オートフォーカスの動作など、カメラの機能はファームウェアによって制御されています。
デジタルカメラは直接的なコンピューターとの関わりは少ないのですが、そういった機器でもファームウェアが使われているのです。
オーディオアンプ
オーディオアンプは再生機器と接続し、サウンドデータを変換してスピーカーから出力する機器です。コンピューターと接続する機会はほとんどありませんが、オーディオアンプでもファームウェアが働いています。
Bluetoothでスマートフォンと接続したり、音質を調整したり、インターネットの音楽ストリーミングサービスと接続するなど、多機能化が進むオーディオアンプをファームウェアが制御しているのです。
ファームウェアのアップデート

ファームウェアは購入したときのまま使い続けることが多いのですが、まれにアップデートを求められることがあります。ファームウェアのアップデートのメリットや方法などについて解説します。
ファームウェアはアップデートが必要になることも
ファームウェアはハードウェアを制御する、重要なソフトウェアです。そのため、何らかの必要が生じると、アップデートを求められることがあります。アップデートは、新しい機能の追加、不具合の修正、セキュリティの向上など、さまざまな目的から提供されます。
使用しているハードウェアが正常に動作しているのであれば、アップデートを急ぐ必要はありません。しかし、アップデートを行うことで、さまざまな恩恵を受けられることがあります。ファームウェアのアップデート情報があった場合、内容を確認して、必要性を検討しましょう。
ファームウェアをアップデートするメリット
ファームウェアのアップデートは、基本的に急いで対応する必要はありません。機器によりますが、アップデートに手間がかかることが多いためです。しかし、アップデートに対応すると、さまざまなメリットがあります。
最新にしないとセキュリティのリスクがある
ファームウェアのアップデートのなかでも、特に大切なのがセキュリティの向上です。ファームウェアにセキュリティの脆弱性が見つかると、その脆弱性を解消するアップデートが行われること多いです。
現在の状態で問題なく動作しているからといって、古いファームウェアのまま使い続けると、悪意あるプログラムの標的にされるおそれがあります。特にWi-Fiルーターのような通信機器だと深刻です。早めに対応したいアップデートのひとつです。
アップデートでバグが修正
ファームウェアにバグがあって、さまざまな不具合の原因になっていることがあります。軽微なものであればよいのですが、ときには思わぬトラブルを起こすこともあります。ときにはハードウェアが停止してしまうこともあります。
そういったバグも、ファームウェアのアップデートで解消することが可能です。バグを修正することで動作が安定して、使いやすくなることもあります。アップデートが比較的簡単に行えるのであれば、軽微なバグでもアップデートに対応しましょう。
新機能が追加されることも
ファームウェアのアップデートは不具合の修正だけでなく、新機能の追加を目的として行われることがあります。これまで対応していなかったサービスに対応したり、使いやすさが向上したりと、新機能の追加はさまざまです。
なかにはハードウェアをリリースした当初から新機能を用意していて、アップデートに合わせて正式に使えるようにしているものもあります。ハードウェアの機能を完全に使いこなすためにも、新機能のアップデートには積極的に対応しましょう。
ファームウェアのアップデート方法はさまざま
ファームウェアのアップデート方法は、ハードウェアによってさまざまです。インターネットに接続できる機器の場合、自動的にアップデートのファイルをダウンロードして適用することがあります。こういったアップデートの方式をOTA(Over The Air)といいます。
ハードウェアによってはパソコンに接続して、ユーザーがファイルをダウンロードしてアップロードをするタイプもあります。ファームウェアをアップデートする方法はハードウェアごとに異なるため、取扱説明書やWebサイトのサポートページを確認し、手順従って進めましょう。
ファームウェアのアップデート情報は、ユーザー登録をしておくと、メールなどで受け取れることがあります。ユーザー登録は忘れずにしておきましょう。
アップデートに失敗したらどうする?

電気コードが外れてしまったり、インターネット回線が途切れてしまったり、さまざまな理由からファームウェアのアップデートに失敗してしまうことがあります。アップデートに失敗して、ハードウェアが故障することはほとんどありません。焦らず、冷静に対処しましょう。
まずは取扱説明書や、Webサイトのサポートページを確認しましょう。一般的にはハードウェアを再起動し、アップデートを最初からやり直すだけで済むことが多いです。それでもうまくいかないときは、ハードウェアを出荷状態に戻して、アップデートをやり直す方法もあります。
それでもアップデートがうまくいかないときは、サポートに相談し、場合によってはメーカーで対応してもらうことになります。
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