CPUとGPUの役割や性能の違いを比較!
用途別の重視すべきパーツも解説
2024.04.30(TUE)
2025.09.05(FRI)
パソコンの頭脳であるCPUと、映像処理を担当するGPU。それぞれ異なる役割や特性を持つパーツですが、無関係なわけではありません。お互いに影響を与える要素もあるため、バランスの良い組み合わせを理解しておくことが大切です。
この記事では、CPUとGPUの役割や性能の違い、用途別に優先するべきパーツを解説します。また、CPUとGPUを選ぶ際に必要な型番の見方や、性能を決める要素についても詳しく解説する内容です。適切なCPUとGPUを選択するために役立つ情報なので、ぜひ参考にして下さい
CPUとは「全体のデータ演算や制御をするパーツ」
CPU(Central Processing Unit)は、パソコンの中心となるパーツで、全体の演算や制御を行います。具体的には、データの処理やプログラムの実行、システムの管理などを担い、コンピューターの「頭脳」として機能します。CPUの性能が低いと、パソコンの動作が遅くなり、作業効率が低下するので重要なパーツです。
主要なCPUメーカーと製品は以下の表をご覧下さい。
| メーカー | 主要製品 |
|---|---|
| Intel | ・Core i3 ・Core i5 ・Core i7 ・Core i |
| AMD | ・Ryzen 3 ・Ryzen 5 ・Ryzen 7 ・Ryzen 9 |
主要なメーカーは、CPUで高いシェアを誇る半導体メーカー「Intel」と、近年シェアを広げている「AMD」です。それぞれ製品名の最後に付く数字が大きいほど性能も高くなります。これらのCPUは、それぞれ異なる性能と特徴を持つので、用途に応じて選択することが大切です。
GPUとは「画像を処理してモニターに表示するためのパーツ」
GPU(Graphics Processing Unit)は、主にモニターに表示する画像の生成を担うパーツで、画像の処理で重要な役割を果たします。高い画像処理能力を持ち、PCゲームや動画編集、デザイン作業、AI(人工知能)開発などの、幅広い分野で活躍するパーツです。また、GPUはスーパーコンピューターにも利用され、複雑な計算やデータ分析に活用されています。十分な性能のGPUを搭載することで、高度なグラフィック処理を可能とし、快適にPCゲームや各種作業を行えます。
主要なGPUメーカーと製品は以下の通りです。
| メーカー | 主要製品 |
|---|---|
| NVIDIA | ・GeForce RTX 3060 ・GeForce RTX 4090 ・GeForce RTX 5090 |
| AMD | ・Radeon RX 6600 XT ・Radeon RX 7900 XTX ・Radeon RX 9070 XT |
主要なメーカーは、半導体の設計や研究開発を行う「NVIDIA」と、CPUの項目でも紹介した「AMD」です。近年、GPUを活用する生成AIや自動運転システムの開発、e-Sportsの流行などにより注目を集めています。製品は、数字が大きい方が高性能です。こちらも、用途に合ったスペックのGPUを選ぶことが大切になります。
CPUの計算処理も行う「GPGPU」
GPGPU(General-Purpose computing on Graphics Processing Units)とは、GPUを画像処理以外の計算に活用する技術で、直訳すると「GPUによる汎用計算」を意味する言葉です。これにより、GPUの高速な計算能力をデータ分析や科学計算、機械学習などの分野で利用できます。従来のCPUだけでは時間がかかる大規模なデータ処理や複雑な計算も、GPGPUを用いることで高速化が可能です。近年では、汎用性の高さから研究やビジネス分野においても拡大しており、GPGPUの応用範囲は日々広がっています。
GPUの種類
GPUには「内蔵GPU」「グラフィックボード」「GPUクラウド」の3種類があります。ここでは、それぞれの特徴や用途について解説します。
内蔵GPU
内蔵GPUは、CPUに組み込まれているGPUのことです。一般的なパソコンやスマートフォンなどに多く搭載され、基本的な画像処理や動画再生、軽度なゲームなどに対応できます。内蔵GPUの特徴は、追加のハードウエアが不要であることです。そのため、コンパクトなデザインや低消費電力を実現することができ、ノートパソコンやタブレットなどの携帯デバイスに適しています。ただし、高度なグラフィック処理や専門的なデザイン作業には向いておらず、これらの用途には単体のグラフィックボードが必要です。
グラフィックボード
グラフィックボードとは、パソコンのPCI Expressスロットに接続される独立した画像処理ユニットです。高解像度の画像処理や3Dグラフィックス、動画編集、高度なゲーミングなど、要求される性能が高い用途に適しています。グラフィックボードには専用のGPUが搭載されており、高い処理能力を持つのが特徴です。ユーザーは、用途に応じた性能のグラフィックボードを選択し、パソコンの性能をカスタマイズできます。
GPUクラウド
GPUクラウドは、リモートでアクセス可能なクラウドサービス上で、GPUを提供するサービスです。このサービスを利用することで、高性能なGPUを物理的に所有しなくても、高度な画像処理やデータ分析、機械学習などが行えます。GPUクラウドの特徴は、高い柔軟性と拡張性です。ユーザーは必要に応じてGPUリソースを調整し、大規模な計算作業や専門的なデータ処理を効率的に行うことができます。また、物理的なスペースや電力消費を気にすることなく、高い計算能力を手軽に利用することが可能です。GPUクラウドは、研究、開発、ビジネスなど多岐にわたる分野で利用されています。
CPUとGPUの違いをわかりやすく解説
CPUとGPUの違いを、役割や関係性、タスクに対する処理能力の観点から解説します。
担当する役割と関係性
CPUはパソコン全体の計算処理を担う部品で、システム全体を統括し、指示を出します。一方、GPUは画像処理に特化しており、CPUからの指示に従って高速な画像処理を行います。例えば、PCゲームや動画視聴の際、CPUはプログラム全体をコントロールし、GPUは画像を生成しモニターに出力します。このように、CPUとGPUは連携してパソコンの機能を円滑に運用しており、お互いを補完しあう関係性です。特にグラフィックス重視のアプリケーションでは、この連携が非常に重要になります。
タスクに対する処理能力
CPUとGPUは得意とするタスクが異なります。CPUは、一つのプログラムを一つのスレッドで処理する「シングルスレッド」のタスクや、複雑な計算を得意としています。特定のタスクを集中的かつ連続的に処理するのが特徴です。シングルスレッドのタスクが得意な理由は、CPUが高性能なコアを少数搭載し、一つひとつのタスクを高速に処理しているからです。一方、GPUは、コアが連携して動作し、複数の計算を同時に進める並列処理が得意です。たとえば、画像処理や大規模なデータ分析では、GPUの大量のコアが同時に多くの計算を行うことで、高速な処理を実現します。このように、CPUとGPUはそれぞれ異なる構造と特性を持ち、パソコンの性能を最大限に引き出すために協力し合っています。
使用しているメモリの種類
CPUとGPUでは使用しているメモリの種類が異なります。CPUは「メインメモリ(RAM)」を利用して、OSやアプリ、Webブラウジングなどの一般的な処理を実行します。RAMはパソコン全体の処理スピードに関わる重要なパーツです。
一方、GPUは「ビデオメモリ(VRAM)」を搭載し、画像処理におけるデータを一時的に保存します。例えば、PCゲームでは高画質な映像を表示するために多くのVRAMが必要で す。VRAMの容量が不足すると、画面がカクつくなどの問題が発生しやすくなります。RAMは全体の作業効率を左右し、VRAMは映像やグラフィックスの品質と処理速度に関係するため、それぞれの役割は明確に異なります。
コア数
CPUとGPUは搭載しているコア数と構造も異なります。CPUは、数個から十数個の高性能なコアを持ち、複雑な処理を効率良く実行できるように設計されています。これにより、アプリの起動や文章作成など幅広い作業に対応可能です。一方、GPUは数千個もの小さなコアを搭載しており、大量のデータを一斉に処理する能力に優れています。例えば、ゲームの画面描画や動画のエフェクト処理では、同じ演算を何度も繰り返すため、GPUの構造が適しています。
CPU・GPUはどちらが優先?重視される用途を解説
CPUとGPUはどちらも大切ですが、用途によって優先すべきパーツが異なります。各パーツが重視される用途を解説します。
CPUが重視される用途
CPUが重視される用途は以下の通りです。
- 一般的な事務用途
- 写真の編集やRAW現像
- 動画の編集や配信
各用途でCPUが重視される理由を解説します。
一般的な事務用途
一般的な事務用途で最も重視されるのはCPUです。データ入力や文書作成、インターネットの閲覧といった一般的なオフィスワークでは、高度な画像処理の能力はほとんど求められません。そのため、内蔵GPUを搭載したパソコンで十分対応できます。このような用途であれば、IntelのCore i3シリーズやそれに相当するCPUでスムーズに作業できます。以上のように、事務用パソコンを選ぶ際には、画像処理の性能よりもCPUの処理能力に注目し、適切なモデルを選択することが重要です。
写真の編集やRAW現像
写真の編集やRAW現像にはCPUの性能が重視されます。例えば、Adobeの「Lightroom」や「Photoshop」などの写真編集ソフトは主にCPUに依存しています。RAW現像とは、デジタルカメラで撮影された生の画像データを編集することを指し、複雑な計算処理を伴う作業です。高解像度の画像データを扱うため、CPUの処理速度が作業の効率に直接影響します。一方、この作業にはGPUの性能はそれほど重要ではなく、多くの場合、内蔵GPUで十分に対応可能です。写真編集やRAW現像を快適に行うためには、「IntelCore i5」程度のCPUを選択するとよいでしょう。
動画の編集や配信
動画の編集や配信ではCPUが重視されますが、GPUの性能も重要です。CPUは動画編集の基本的な動作やエフェクトの処理、エンコードなどに影響を及ぼし、性能が低いと作業効率や配信の品質が低下する可能性があります。一方、GPUは映像処理の速度、レンダリング、およびエンコードの高速化に寄与します。
近年では、内蔵GPUの性能も向上しており、一部の動画編集ソフトでは十分な性能を発揮しますが、専用のグラフィックボードを搭載した方が映像処理において優れたパフォーマンスを発揮します。動画編集や配信を快適に行うためには、「Intel Core i5」以上のCPUと、「NVIDIA GeForce からRTX 3060」以上のGPUを目安にするとよいでしょう。
GPUが重視される用途
GPUが重視される用途は以下の通りです。
- PCゲーム
- AIの開発
- VRの使用
- 3DCAD
各用途で重視される理由を解説します。
PCゲーム
PCゲームは高いGPUの性能が求められます。特に、グラフィックが重要な高負荷のゲームや、高解像度・高フレームレートでPCゲームを楽しみたい場合は、高い処理能力を持つGPUが必須です。とはいえ、PCゲームではCPUの性能も重要になります。CPUはゲーム内の各種処理を担当し、性能が不足しているとゲームプレイ中のカクツキや遅延を引き起こす原因になるのです。
ゲーム用のGPUとしては、「NVIDIA GeForce RTX 3060」以上を選び、より幅広いゲームに対応するためには「GeForce RTX 4060」以上のモデルを選択するとよいでしょう。CPUは「Intel Core i5」以上を目安に選ぶのがおすすめです。
AIの開発(機械学習・ディープラーニング)
AIの分野、特にディープラーニングを使う開発では、GPUが重要な役割を果たします。ディープラーニングとは、コンピュータに大量のデータを解析させ、データの特徴を抽出する技術です。大量のデータを用いて学習を行うため、計算処理の並列化が得意なGPUが欠かせません。
AIは自然言語処理に使われる生成AIのChat GPTや自動運転、気象予測など、幅広く活用されているので、今後もGPUへの需要が高まると予想されています。AIの開発において必要なGPUのスペックはプロジェクトの規模や目的によって異なるため、具体的な目的に合わせた選択が重要です。
VRの使用
VR(Virtual Reality)は仮想現実という意味を持ちます。専用ゴーグルに映像を映すことで、まるでその空間にいるような感覚を体験できる技術です。医療、教育、エンターテインメントなど、多くの分野で活用されています。
VRアプリケーションは高い画像の処理能力を要求するため、強力なGPUが必要です。VRゲームを快適に楽しむためには、「NVIDIA GeForce RTX 3060」以上のGPUを備えたゲー ミングPCを用意しましょう。CPUに関しては、Intel Core i5以上の性能が推奨されます。VR体験の品質はGPUの性能に大きく依存するため、GPUの選定には特に注意を払う必要 があります。
3DCAD
3DCAD(設計支援ソフトウエア)は、複雑な3Dモデリングやレンダリングが必要とされるため、高性能なGPUが不可欠です。3DCADのソフトウエアは、十分なパフォーマンスを発揮できる「認定グラフィックス」のリストを公開しています。これを参考にグラフィックボードを選択するとよいでしょう。高度なモデリングや大規模な設計プロジェクトでは、GPUの性能が直接作業効率や品質に影響を与えるため、適切なグラフィックボード選びが重要です。
CPUの見方と性能を決める要素を確認
目的に合ったCPUを選ぶには、型番の見方や、性能を決める要素を理解しておくことが大切です。ここでは、型番の具体的な見方や性能を決める要素について解説します。
CPUの見方
CPUの型番を見ると、どのようなスペックの製品か概ね判断できます。以下は、Intelの 「Core i5 13600K」を例に、各表記の意味を示した表です。
| ブランド名 | シリーズ名 | プロセッサー・ナンバー 「12=世代」 「600=SKUナンバー」 |
カテゴリー |
|---|---|---|---|
| Core | i5 | 13600 | K |
シリーズ名は数字が大きいほど性能が高くなります。プロセッサー・ナンバーの世代やSKUナンバーも数字が大きいほど高性能です。カテゴリーは、以下のようにアルファベットによって意味が異なります。
- なし:標準的なCPU
- K:オーバークロックに対応
- S・ T:省電力のモデル
- P・F:内蔵GPUを搭載していないモデル
- X:性能の高い上位モデル
- HQ:ノートパソコン向けのハイエンドGPUを内蔵したモデル
- U:ノートパソコン向けの省電力なモデル
- Y:ノートパソコン向けのさらに省電力なモデル
コア数
CPUのコア数は、パソコンの処理能力を大きく左右する要素です。コアとはCPU内の処理ユニットのことで、コア数が多いほど同時に多くのタスクを処理できます。例えば、ク アッドコア(4コア)のCPUは、デュアルコア(2コア)のCPUより効率的に処理を進められます。マルチコアは、特にマルチタスクや複雑な計算が必要なアプリケーションでその効果を発揮し、全体の処理スピードの向上に効果的です。
スレッド数
スレッド数もCPUの性能に影響を与える要素です。スレッドとは、CPUコアが処理するタスクの最小実行単位であり、スレッド数が多いほど同時に処理できるタスクの数が増えます。例えば、マルチスレッディング技術を採用したCPUは、一つのコアで複数のスレッドを扱うことができ、マルチタスク処理能力が向上します。これにより、複数のアプリケーションを同時に使用している際に、よりスムーズな操作が可能です。
クロック数
CPUのクロック数は、処理スピードを示す要素です。クロック数が高いほど、CPUは高速に動作し、より多くの命令を短時間で処理できます。例えば、クロック数が3.5GHzのCPUは、1秒間に35億回の処理を行うことができます。クロック数は、シングルスレッドでのタスク処理速度に直接影響し、アプリケーションのレスポンス時間の短縮に貢献する要素です。
キャッシュ
キャッシュとはCPU内部のメモリを指し、使用頻度が高いデータを一時的に保存しておく役割を担います。メインメモリと同じ役割ですが、CPUのキャッシュメモリは、より利用頻度の高いデータが保存されるのが異なる点です。キャッシュの容量が大きいほど多くのデータを一時保存できるので、処理能力が向上します。しかし、コア数やスレッド数などに注目してCPUを選べば、それに合ったキャッシュの容量を選択することになるので、それほど意識する必要はないでしょう。なお、キャッシュ容量は、製造コストや消費電力とトレードオフの関係にあるので、容量が大きいほど良いわけではありません。
世代
CPUの世代は、そのモデルの新旧を示し、性能にも大きく影響します。新しい世代のCPUは、製造技術の進歩により性能が向上していることが多く、同じスペックの古い世代のCPUと比較して効率や省エネ性が優れているのが一般的です。例えば、上位グレードのCPUでも古い世代のモデルは、新しい世代の中位グレードのCPUに性能で劣ることがあります。そのため、CPUを選ぶ際は、グレードだけでなく、そのモデルの世代も考慮することが重要です。
GPUの見方と性能を決める要素を確認
続いて、GPUの見方と性能を決める要素を詳しく解説します。
GPUの見方
GPUの型番も、性能を把握するための情報が記載されています。以下は、NVIDIAの「GeForce RTX 4070 Ti」を例に各表記の意味を示したものです。
| ブランド名 | シリーズ名 | 世代 | 性能 | 規格 |
|---|---|---|---|---|
| GeForce | RTX | 40 | 70 | Ti |
NVIDIAの主なシリーズには、エントリークラスの「GTX」と、上位モデルの「RTX」があります。世代は数字が多いほど新しく高性能です。性能はGPUの性能を表していますが、世代が新しくて性能の数字が低い方が、より高性能なケースもあるので注意しましょう。規格には、Tiの他にSUPERなどがあり、性能はTiの方が高くなります。
VRAM(GPUメモリ)
VRAM(ビデオRAM)は、GPUが画像処理に使用する専用メモリのことです。VRAMの容量はGPUのパフォーマンスに大きく影響し、特に高解像度のゲームや動画編集などの作業では重要な役割を果たします。VRAMが不足すると、フレームレートの低下やテクスチャの読み込み遅延などを招くことがあります。一般的な用途では1GBのVRAMで十分ですが、グラフィック処理が重いタスクでは4GB以上のVRAMを備えたGPUが必要です。
冷却性能
冷却性能は、GPUの効率的な動作と寿命に影響します。GPUは高い処理能力を持つため、大量の熱が発生します。GPUの温度が上がり過ぎると、GPUのパフォーマンス低下や、最悪の場合は故障の原因になります。冷却方法は主にファンタイプと水冷タイプの2種類です。ファンタイプは価格が安価ですが冷却性能はそれなり。水冷タイプはより優れた冷却性能を持つ反面、コストが高くなります。GPUの選択時には、冷却性能も考慮して選択しましょう。
CPUとGPUの組み合わせを間違うとボトルネックになるので要注意!
CPUとGPUの間に大きな性能差があると、システム全体のボトルネックになる可能性があります。例えば、高性能なGPUを搭載していても、CPUが性能不足であれば、GPUの能力を最大限に活かすことができません。具体的には、処理が追いつかず、設定しているフレームレートが出ないなどが考えられます。
逆に、GPUの性能がCPUに追いつかない場合も似たような問題が発生するので注意しなければなりません。PCゲームや動画編集のようにCPUとGPUの両方が高い処理能力を要求される用途では、このバランスが特に重要です。
CPUとGPUのバランスが良い組み合わせの例
CPUとGPUのバランスが大切なことは分かっていても、具体的な組み合わせをイメージするのは難しいものです。以下の表は、CPUに対して特にバランスが良いGPUの目安を示した表です。なお、目的によって最適なCPU・GPUは変化するので、あくまでも参考としてご覧下さい。
| CPU | バランスの良いGPU |
|---|---|
| Core i3-13100 | GeForce ・RTX 3050 ・GTX 1650 |
| Core i5-14600K | GeForce ・RTX 4080 ・RTX 4070 ・RTX 4060 Ti Radeon ・RX 6800 XT ・RX 7800 XT |
| Core i7-14700K | GeForce ・RTX 4080 ・RTX 4070 Ti Radeon ・RX 7900 XT ・RX 7700 XT ・RX 6800 XT |
| Core i9-14900K | GeForce ・RTX 4090 ・RTX 4080 ・RTX 4070 Ti Radeon ・RX 7900 XTX ・RX 7900 XT |
| Ryzen 5 7600X | GeForce ・RTX 4060 Ti ・RTX 3060 Ti Radeon ・RX 7600 ・RX 6700 XT ・RX 6600 |
| Ryzen 7 7700X | GeForce ・RTX 4070 Ti ・RTX 4070 ・RTX 3060 Ti Radeon ・RX 7900 XTX ・RX 6900 XT |
| Ryzen 9 7900X | GeForce ・RTX 4070 Ti ・RTX 4070 Radeon ・RX 7900 XT ・RX 6950 XT ・RX 6800 |
搭載するメモリのバランスも重要
CPUとGPUのバランスが良くても、メモリ容量が不足していると動作が遅くなる原因になります。例えば、エントリークラスのCPUやGPUを使用する場合は8GBのメモリで十分な場合もありますが、ミドルクラスであれば16GB、ハイエンドクラスでは32GB以上が理想です。高性能なパーツを搭載しても、容量の少ないメモリがネックとなり動作の遅延が発生しやすくなります。高性能なパーツを組み合わせる場合は、メモリの容量も十分に確保し、全体のバランスを考えた構成にしましょう。
CPU・GPUを選ぶ際に注意するポイント
CPU・GPUの交換や増設を検討している人は、以下のポイントに注意しましょう。
- マザーボードがCPU・GPUに対応しているかを確認する
- GPUの接続端子を確認する
- 高性能なCPU・GPUは消費電力も高い
各ポイントを詳しく解説します。
マザーボードがCPU・GPUに対応しているかを確認する
マザーボードは全てのCPUやGPUに対応しているわけではありません。CPUはソケット形状やチップセットによって対応製品が限定され、GPUもPCIeスロットの有無や電源端子が関係します。対応していないパーツを選ぶと物理的に装着できず動作しません。自分のパソコンに合うか確認するために、マザーボードの型番を以下の手順で調べましょう。
- スタートメニューで「cmd」と入力してエンターキーを押す
- コマンドプロンプトを選択して開く
- 「wmic baseboard get product」と入力してエンターキーを押す
- マザーボードの型番が表示される
表示された型番を元に検索すれば、対応するCPUやGPUが分かります。
GPUの接続端子を確認する
GPUを選ぶ際は、映像出力端子の種類と数も確認が必要です。出力端子がモニターと合わ ないと映像が表示できません。代表的な端子は以下の通りです。
- HDMI:テレビやモニターで広く使われており、音声も同時に出力できる
- DisplayPort:高解像度や高リフレッシュレートに対応し、PCゲームにおすすめ
- DVI:古いモニターで使用されるが、現在は搭載しているモデルは少ない
使用するモニターの端子と合っているか、複数画面表示が可能かどうかを確認してから選 びましょう。
高性能なCPU・GPUは消費電力も高い
高性能なCPUやGPUは、性能が高い分だけ消費電力も上がります。例えば、Intel Core i9-14900Kは125W、NVIDIA GeForce RTX 4090は450Wと消費電力が非常に高いです。電源ユニットの容量が足りないと起動しなかったり、不安定になったりする原因になるため容量を確認しましょう。目安は最も電力変換効率が良いとされる、パソコン全体の消費電力の合計に対して2倍程度の電源容量です。例えば、合計が400Wであれば、800W前後の電源を選ぶと余裕を持って使えます。電源ユニットの選定はパーツの安定動作に直結するため、軽視しないようにしましょう。
目的に合うCPU・GPUを選択するならBTOパソコンがおすすめ
BTO(Build to Order)パソコンは、ユーザーの要求に応じてカスタマイズ可能なパソコンです。BTOパソコンのメリットは、使用目的に合わせてCPUやGPU、メモリやストレージなどのパーツを選択できる点にあります。これにより、個々のニーズに合わせた最適な性能のパソコンを購入可能です。
例えば、PCゲームや3Dモデリングなどグラフィックに重点を置く場合、高性能なGPUと適切なCPUを選択することで、ボトルネックを防ぎつつ、コストパフォーマンスにも優れたシステムを構築できます。
CPU・GPUをカスタマイズできるNECのおすすめBTOパソコン
NECは、パーツの性能をカスタマイズできるBTO(Build To Order)パソコンを製造・販売しています。ここからは、NECのおすすめパソコンをご紹介します。
※スペック表はカスタマイズモデルのものです
GPUをカスタマイズできる「LAVIE Direct DT」
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「LAVIE Direct DT」は、GPUのカスタマイズができるデスクトップパソコンです。専用グラフィックボードを選択することで、画像処理や動画編集、PCゲームなどの負荷の高い作業にも対応できます。また、CPUは第14世代のCore i9まで選択でき、高負荷なソフトウエアの使用も快適です。さらに、拡張性に優れた設計となっており、将来的なパーツの追加にも対応できます。メモリは8~64GB、SSDは256GB~2TBまで選択でき、多様な用途に活用できるモデルです。
| OS | Windows 11 (Home/Pro) |
|---|---|
| CPU | Intel(プロセッサー 300/Core i3-14100/Core i5-14500/Core i7-14700/Core i9-14900) |
| グラフィックボード(GPU) | ・インテル UHD グラフィックス 770(プロセッサーに内蔵) ・インテル Arc A310 グラフィックス |
| メモリ | 8〜64GB |
| ストレージ(SSD) | 256GB〜2TB |
| 外部インターフェイス | ・USB Type-C × 1 ・USB Type-A × 8 ・HDMI × 1(インテル Arc A310 グラフィックスを選択時はなし) ・DisplayPort×2 ・LAN × 1 ・ヘッドフォンマイクジャック × 1 |
| 画面サイズ | 23.8型ワイド フルHD液晶(広視野角・高色純度・ノングレア) |
| サイズ(幅×高さ×奥行) | 159×356×309(mm) |
CPU(AMD)をカスタマイズできる「LAVIE Direct N16(R)」
商品詳細はこちら
「LAVIE Direct N16(R)」は、カスタマイズできるAMD製CPUを搭載したノートパソコンです。7000シリーズのRyzen 3からRyzen 7まで選択でき、用途に応じた性能のパソコンを購入できます。また、16型の大画面IPS液晶を搭載し、広視野角で鮮明な映像を楽しめるのも魅力です。さらに、最大32GBのメモリや大容量SSDの選択もでき、快適な作業環境を構築できます。Windows Hello対応の指紋センサも選択でき、ビジネスからクリエイティブな作業まで幅広く対応します。
| OS | Windows 11 (Home/Pro) |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen (3 7335U/5 7535U/7 7735U) |
| グラフィックボード(GPU) | AMD Radeon 680M グラフィックス/AMD Radeon660M グラフィックス(どちらもCPUに内蔵) |
| メモリ | 8〜32GB |
| ストレージ(SSD) | 256GB〜2TB |
| ディスプレイ | 16.0型ワイド スーパーシャインビューLED IPS液晶(広 視野角)(WUXGA) |
| 外部インターフェイス | ・USB Type-C × 1 ・USB Type-A × 2(内1ポートはパワーオフUSB充電機能付き) ・HDMI × 1 ・LAN × 1 ・ヘッドフォンマイクジャック × 1 |
| 重量 | 約2.1kg(大容量バッテリー選択時2.2kg) |
| バッテリー駆動時間(アイドル時) | 約8〜約14.2時間 |
CPU(Intel)をカスタマイズできる「LAVIE Direct SOL」
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「LAVIE Direct SOL」は、質感や堅牢性に優れたノートパソコンです。手触りが良く傷が付きにくいシルクタッチコートを採用しており、高級感のある筐体となっています。堅牢性の高さを示す、アメリカ国防総省が制定するMIL規格に準拠しており、持ち運びも安心です。ディスプレイは13.3型のコンパクトサイズを採用しており、持ち運びの負担も軽減してくれます。その他にも、タッチパネルや長持ち&長寿命なAIバッテリーを搭載しており、利便性も高いおすすめモデルです。
| OS | Windows 11 (Home/Pro) |
|---|---|
| CPU | インテル Core ( i7-1355U/i5-1335U/i3-1315U) |
| グラフィックボード(GPU) | インテル Iris Xe グラフィックス(プロセッサーに内蔵) |
| メモリ | 8〜32GB(デュアルチャネル対応) |
| ストレージ(SSD) | 256GB〜2TB |
| ディスプレイ | 13.3型ワイド スーパーシャインビューLED IPS液晶 (広視野角・高輝度・高色純度・タッチパネル) (WUXGA: 1920x1200 |
| 外部インターフェイス | ・USB Type-C × 3 ・ヘッドフォンマイクジャック × 1 |
| 重量 | 約1,197g |
| バッテリー駆動時間(アイドル時) | 約23.2時間 |
CPU・GPUは目的に応じて相性のよい組み合わせにすることが大切
CPUとGPUはパソコンの性能を最大化するために、それぞれの役割を果たしています。各パーツが影響を及ぼす作業や優先するべき用途を認識し、目的に合う製品を選択することが大切です。また、CPUとGPUの性能のバランスも考慮して組み合わせることも意識しましょう。NECでは、CPU・GPUのバランスにも考慮した高性能パソコンを販売しています。品質管理にこだわった国内生産のパソコンを多く取り揃えているので、下記のリンク からぜひ確認してみてください。
NEC LAVIE公式サイト



