法人パソコン購入に利用できる補助金とは?
IT導入補助金・業務改善助成金などを解説
2025.11.28(FRI)
2025.11.28(FRI)
法人が業務用パソコンを購入する際、補助金や助成金を利用することで導入コストの削減が可能です。国が提供するIT導入補助金や業務改善助成金、地方自治体の助成金など、多様な支援制度が用意されています。コストを抑えてパソコンを導入できるため、要件を満たした企業は積極的に活用することをおすすめします。制度によって対象要件や補助金額などが異なるため、内容をきちんと理解しておくことが重要です。この記事では、法人パソコン購入にも利用できるIT導入補助金を中心に、概要や申請方法、注意点などについて詳しく解説します。
法人向けパソコン・タブレットの購入に利用できる「IT導入補助金2025」とは?
IT導入補助金2025は、中小企業や小規模事業者の労働生産性向上を目的として、業務効率化やDXに向けたITツールの導入を支援する制度です。この補助金は、IT導入補助金事務局が審査・登録したITツールの導入費用を補助します。補助金の申請者は、IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請することが必要です。なお、パソコン・タブレットの購入については、インボイス制度への対応を促進することを目的とした制度となっています。
IT導入補助金で法人パソコンを購入するために必要な情報
ここからは、IT導入補助金で法人パソコンを購入するために必要な情報として、以下を紹介します。
- 申請枠の種類(インボイス枠)と補助率・補助額
- 対象者(個人事業主含む中小企業・小規模事業者)
- 補助金交付の申請期間
- IT導入補助金を申請する前に必要な手続き
- 審査得点の加点に必要な手続き
- IT導入補助金の申請フロー
- 交付決定~事業実施効果報告までのフロー
各項目を分かりやすく解説していきます。
申請枠の種類(インボイス枠)と補助率・補助額
IT導入補助金2025では、以下のように複数の申請枠が用意されています。
- 通常枠
- インボイス枠(インボイス対応類型)
- インボイス枠(電子取引類型)
- セキュリティ対策推進枠
- 複数社連携IT導入枠
パソコンの購入は、「インボイス枠(インボイス対応類型)」で申請します。このインボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度に対応した会計・受発注・決済の機能を有するソフトウエアとパソコン・ハードウエアなどを導入するための経費を補助する制度です。具体的な補助率と補助額の上限、機能要件は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助率・補助額 | ・ソフトウエア:50万円以下の部分は3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超~350万円以下の部分は2/3以内 ・パソコン・ハードウエアなど:補助率は1/2以内、補助額は10万円以下 |
| 補助額上限(ソフトウエア) | ・会計、受発注、決済のうち1機能の場合:50万円 ・会計、受発注、決済のうち2機能以上の場合:350万円 |
例えば、中小企業が会計ソフトウエア30万円とパソコン20万円を導入する場合、会計ソフトウエアは22万5,000円(30万円×3/4)、パソコンは10万円(20万円×1/2)の補助を受けられ、合計32万5,000円の補助金が交付されます。
対象者(個人事業主含む中小企業・小規模事業者)
IT導入補助金2025の対象者は、個人事業主を含む中小企業や小規模事業者です。業種によって上限となる資本金や従業員規模が異なるので確認しましょう。例えば、業種によって以下のように異なります。
- 製造業(ゴム製品製造業を除く)・建設業・運輸業:資本金3億円以下、従業員300人以下
- 卸売業:資本金1億円以下、従業員100人以下
- サービス業(ソフトウエア業・情報処理サービス業・旅館業を除く):資本金5,000万円以下、従業員100人以下
- 小売業:資本金5,000万円以下、従業員50人以下
自社が対象であるかどうかは、IT導入補助金2025の公式サイトにある申請対象者チェッカーで確認できるので活用しましょう。
補助金交付の申請期間
インボイス枠(インボイス対応類型)は1次から5次まで用意されており、1~3次までは終了しています(※3次は2025年7月18日締切)。現在申請できる4次締切分と5次締切分の申請期間は以下の通りです。
| 申請次数 | 締切日 | 交付決定日 | 事業実施期間 | 事業実績報告期限 |
|---|---|---|---|---|
| 4次締切分 | 2025年8月20日(水)17:00 | 2025年9月30日(火)(予定) | 交付決定~2026年3月31日(火)17:00(予定) | 2026年3月31日(火)17:00(予定) |
| 5次締切分 | 2025年9月22日(月)17:00(予定) | 2025年10月31日(金)(予定) | 交付決定~2026年4月30日(木)17:00(予定) | 2026年4月30日(木)17:00(予定) |
締切直前はアクセスが集中して接続に時間がかかる可能性があるため、余裕をもって申請しましょう。
IT導入補助金を申請する前に必要な手続き
IT導入補助金を申請する前に必要な手続きとして、「GビズIDプライムの取得」と「SECURITY ACTION宣言の実施」があります。各手続きの概要について解説します。
GビズIDプライムの取得
IT導入補助金の交付申請にはGビズIDプライムアカウントが必要です。GビズIDプライムは、複数の行政サービスにログインできる共通認証システムで、法人または個人事業主の代表者が取得できます。取得方法は、マイナンバーカードを利用したオンライン申請と書類申請の2種類です。発行までの期間は2週間程度かかるため、申請を検討している人は早めに手続きしましょう。
SECURITY ACTION宣言の実施
SECURITY ACTIONは、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを宣言する制度です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施しており、「★一つ星」または「★★二つ星」のいずれかを宣言する必要があります。一つ星は情報セキュリティ5か条の実践を、二つ星は5分でできる情報セキュリティ自社診断による自社把握と情報セキュリティ基本方針の策定が必要です。交付申請の作成時に宣言済みアカウントIDが必要となり、宣言完了から約2~3日でIDが発行されます。
審査得点の加点に必要な手続き
審査得点の加点は必須ではありませんが、審査得点が高いほど採択されやすくなる傾向があります。2025年におけるインボイス枠(インボイス対応類型)の1次申請では、申請数6,446人に対して、採択数3,710人で採択率は57.6%でした。加点に必要な手続き(インボイス対応類型)には以下のような項目があります。
- 地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画の承認取得
- 地域未来牽引企業への選定および目標の提出
- 賃上げの事業計画の策定・従業員への表明・事業計画の達成
- 国の推進するセキュリティサービスの選定
- IT戦略ナビwithの実施
- 健康経営優良法人2025の認定取得
- くるみん・えるぼし認定取得
審査における加点項目は採択を保証するものではありませんが、可能な限り取り組むことで採択の可能性を高めることができます。
IT導入補助金の申請フロー
IT導入補助金の申請は、以下のフローで進めます。
1.IT導入支援事業者・ITツールの選定:自社の業種・事業規模・経営課題に応じ、補助金の申請手続きやITツールの導入をサポートする登録事業者やITツールを選ぶ
2.交付申請:IT導入支援事業者と連携して事業計画を策定する。交付申請の流れは以下の通り。
1:IT導入支援事業者から「申請マイページ」に招待され、申請者情報を入力する
2:必要な情報の入力、書類添付を行う
3:IT導入支援事業者が導入するITツールの情報や事業計画値を入力する
4:「申請マイページ」で最終確認し、申請に対する宣誓をして事務局に提出する
3.交付決定:事務局による審査が行われ、交付が決定される。通知を確認後に補助事業を開始できる
申請はIT導入支援事業者と共同で行う必要があり、事業者からの招待を受けないと申請ができません。
交付決定~事業実施効果報告までのフロー
交付決定後は以下のフローで事業を進めます。
1.ITツールの発注・契約・支払い:交付決定通知を受けた後にITツールの発注と契約、支払いを行う
2.事業実績報告の提出:ITツールの発注~支払いなどが分かる証憑を提出する。提出の手順は以下の通り。
1:「申請マイページ」から事業実績報告に関する情報の入力と、証憑の添付を行い事業実績報告を作成する
2:作成後、IT導入支援事業者が内容を確認し、必要事項を入力する
3:最終確認を行い中小企業・小規模事業者が事務局に事業実績報告を提出する
※実績報告期間中に実績報告をしなかった場合や、事業がきちんと実施されなかった場合は補助金が交付されないため要注意。実績報告の提出までに事業が完了し、ITツールの運用が開始されている必要もある。
3.補助金額の確認・承認:補助事業者が申請マイページで確定検査の結果や補助金交付決定額を確認し、内容に問題なければ承認する
※承認しない場合は補助金が交付されない
4事業実施効果報告:期限内に補助事業者が「申請マイページ」で必要事項を入力し、IT導入支援事業者の確認後に提出する
補助金は後払い制のため、まず自社でITツール代金を全額支払い、事業実績報告の確定検 査完了後に補助金が入金される仕組みです。
IT導入補助金を申請する際の注意点
IT導入補助金を申請する際の注意点は、以下の通りです。
- IT導入支援事業者と共同で申請する
- 契約や支払いの順番に気を付ける
- パソコンはソフトウエアとセットで申請する必要がある
各注意点について詳しく解説します。
IT導入支援事業者と共同で申請する
IT導入補助金は申請者が単独で申請することはできません。必ずIT導入補助金事務局に登録された、IT導入支援事業者との共同申請が必要になります。支援事業者は補助金の申請手続きからITツールの導入、運用後の手助けまで一貫してサポートする役割を担います。支援事業者を選ぶ際は、取り扱うITツールの種類やサポート体制、実績などを確認することが重要です。パソコンとソフトウエアの両方を扱える事業者や、申請から導入まで丁寧にサポートしてくれる事業者を選ぶと良いでしょう。
契約や支払いの順番に気を付ける
交付決定通知を受領する前にパソコンの契約や支払いを行うと、補助対象外となります。交付決定後に補助金額の確認・承認を行った上で、契約・納品・請求・支払いの順序で手続きを進めましょう。支払いは証跡が残る方法に限定されており、領収書や振込明細書などの支払い証憑を提出できるようにしておかなければなりません。現金の手渡しより、銀行振込やクレジットカード決済などを利用することが推奨されます。
パソコンはソフトウエアとセットで申請する必要がある
IT導入支援補助金はパソコン単体での申請はできず、インボイス制度対応の会計・受発注・決済ソフトウエアとセットでの申請が必須です。インボイス制度への対応強化を推進することが目的であり、単純にパソコンを導入するための補助金ではありません。制度の目的を理解し、自社が該当する場合のみ利用を検討しましょう。もし、ソフトウエアの導入が必要ない場合は、後述する他の補助金・助成金の利用を検討してみて下さい。
法人パソコン購入に利用できるその他の補助金・助成金
IT導入補助金以外に法人パソコン購入に利用できる補助金・助成金は、以下の通りです。
- 業務改善助成金
- 地方自治体の補助金
それぞれの内容について解説します。
業務改善助成金
業務改善助成金は、厚生労働省が実施する賃金引上げと生産性向上を目的とした助成金制度です。事業場で最も低い時間給の引上げを行う事業者が対象となり、「賃金要件」や「物価高騰等要件」を満たす特例事業者に該当すれば、パソコン購入も生産性向上設備として認められます。
一般事業者と特例事業者で助成率や助成上限額が異なる制度設計となっており、特例事業者の場合は助成率3/4から4/5、助成上限額は時給の引き上げ額および引上げ人数に応じて60万円から600万円まで設定されています。特例事業者になるには、事業場の最低賃金が1,000円未満なのに加え、原材料費高騰などにより利益率が前年同月比3%ポイント以上低下していなければなりません。
出典:厚生労働省|業務改善助成金
地方自治体の補助金
都道府県や市区町村が独自に実施する、パソコン購入支援制度もあります。テレワーク導入支援や中小企業DX推進など、目的に応じた多様な制度が存在するため調べてみると良いでしょう。例えば、東京都の「令和7年度テレワークトータルサポート助成金」では、最大250万円、京都府の「多様な働き方推進事業費補助金」では最大100万円の助成を受けることができます。自治体によって対象者要件・補助率・申請期間などが異なるため、所在地の自治体制度を個別に確認しましょう。
出典:東京しごと財団|令和7年度テレワークトータルサポート助成金
出典:京都府|多様な働き方推進事業費補助金
補助金での購入におすすめ!NECの法人パソコン
NECはスペックのカスタマイズ(BTO:Build To Order)に対応した法人向けパソコンを販売しています。ここからは、NECのおすすめ法人パソコンをご紹介します。
高いセキュリティ機能を備えた「VersaPro J タイプVX」
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「VersaPro J タイプVX」は、Secured-Core PC(ハードウエア・ファームウエア・ソフトウエアが統合された高度なセキュリティ基準を満たすパソコン)に準拠した信頼性の高い15.6型ノートパソコンです。第13世代のIntel® Core™ iシリーズを搭載し、高速なデータ処理に対応しています。さらに、セキュリティ面では、内蔵指紋センサー(Windows Hello対応)によるログインやBIOS自己回復機能、プライバシーシャッター付きWebカメラなどを標準装備しています。高機能かつセキュリティに優れた法人パソコンです。
| OS | Windows 11 Pro |
|---|---|
| CPU | Intel® Core™(i7-1365U/i5-1345Uまたは1335U/i3-1315U) |
| グラフィックボード(GPU) | Intel® Iris® Xe グラフィックス Intel® UHD グラフィックス(どちらもCPUに内蔵) |
| メモリ | 4~32GB |
| ストレージ(SSD) | 256GB〜1TB |
| ディスプレイ | 15.6型ワイドTFTカラー IPS方式液晶 以下のどちらかを選択 ・フルHD(1920×1080)LEDバックライト ノングレア ・HD(1366×768)LEDバックライト ノングレア |
| 外部インターフェイス | ・USB Type-C × 1(パワーオフUSB充電機能付き) ・USB Type-A × 4(内1ポートはパワーオフUSB充電機能付き) ・ミニD-sub 15ピン × 1 ・HDMI × 1 ・SD(SDHC/SDXC)メモリーカードスロット × 1 ・LANコネクタ × 1 ・ヘッドフォンマイクジャック × 1 |
| 重量 | 約2.2kg |
| バッテリー駆動時間(アイドル時) | 約8~8.3時間 |
マルチディスプレイに対応する「Mate J タイプML」
商品詳細はこちら
「Mate J タイプML」は、高機能でお手頃なコストパフォーマンスに優れたデスクトップパソコンです。第14世代Intel® Core™ iシリーズを選択でき、複数タスクの同時実行に対応できます。また、DisplayPortとHDMIポートを使用したマルチディスプレイ環境も構築でき、作業効率の向上も可能です。さらに、USB Type-Cを含む9つのUSBポートを装備し、豊富な拡張性を持っています。暗号化機能付SSDやTPMセキュリティチップによるデータ保護機能などにも対応した、ビジネス利用における基本機能を網羅したモデルです。
| OS | Windows 11 Pro |
|---|---|
| CPU | Intel® Core™ (i7-14700/i5-14400/i3-14100/プロセッサー 300) |
| グラフィックボード(GPU) | Intel® UHD グラフィックス(770/730/710)※CPUに内蔵 |
| メモリ | 8〜32GB |
| ストレージ(SSD) | 256GB〜1TB(暗号化機能付) |
| DVD/CDドライブ | DVD-ROMドライブまたはDVDスーパーマルチドライブ |
| 外部インターフェイス | ・USB Type-C × 1 ・USB Type-A × 8 ・HDMI × 1 ・DisplayPort × 1 ・LAN × 1 ・ヘッドフォンマイクジャック × 1 |
| サイズ(幅×高さ×奥行) | 159×357×298(mm) |
法人パソコンの購入には補助金・助成金を活用しよう!
法人がパソコンを購入する際は、補助金や助成金制度を活用することで導入コストを大幅に削減できます。インボイス対応ソフトウエアの導入も検討している人はIT導入補助金を、それ以外の人は業務改善助成金や地方自治体の制度の利用を検討しましょう。補助金を活用することで、本来であれば高額になりがちなパソコン導入費用を抑えながら、業務効率化やDX推進を実現できます。各制度には対象者要件や申請期間などの条件があるため、情報をしっかりと整理し、計画的に申請を行いましょう。
法人パソコンの購入には、NECの製品をおすすめします。用途に合わせてスペックをカスタマイズでき、業務利用に適したセキュリティを備えたモデルを販売しています。詳しい製品の情報は、以下の公式サイトからご確認下さい。
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