仮想メモリとは?
メリット・デメリットや設定方法を詳しく解説
2025.09.12(FRI)
2025.09.12(FRI)
仮想メモリは、パソコンの物理メモリ(RAM)が足りない時に、ストレージを一時的なメモリとして活用する機能です。この仕組みを使うことで、メモリが不足した場合でも安定した動作を維持できます。メリットは、マルチタスク性能の向上や、物理メモリを増設せずにパフォーマンス向上が図れる点です。一方デメリットとして、ストレージのアクセス速度の遅さや、過剰な使用でパフォーマンスが低下するリスクがあります。仮想メモリを設定する際は、これらのメリットとデメリットを理解し、適切な設定を行うことが大切です。
この記事では、仮想メモリの仕組みやメリット・デメリット、設定方法や推奨値、パフォーマンスが改善されない時の対処法などを解説します。
仮想メモリ機能とは何か?システムの基礎知識から理解しよう
まずは、仮想メモリの仕組みと役割や、物理メモリとの違いについて解説します。
仮想メモリの仕組みと役割
仮想メモリは、パソコンやスマートフォンなどのコンピューターで動作するアプリやソフトウエアが、物理メモリ(RAM)の容量を超えて動作できるようにする仕組みです。具体的には、HDDやSSDなどのストレージの一部を仮想的なメモリ領域(スワップファイルやページファイルなど)として活用します。これにより、物理メモリが不足しても、アプリケーションは動作を続けることが可能です。仮想メモリの管理は、CPUとOS(オペレーティングシステム)が協力して行われ、「ページング」と呼ばれる技術を使って必要なデータを物理メモリと仮想メモリ間でやり取りします。
物理メモリとの違いとは
物理メモリは、コンピューターに直接搭載されているメインメモリ(RAM)で、CPUが直接アクセスできる高速な記憶装置です。これに対して、仮想メモリはHDDやSSDなどのストレージを活用するため、アクセス速度は物理メモリよりも遅くなります。物理メモリは電源を切ると中身が消える揮発性の記憶装置であるのに対し、仮想メモリはストレージに保存されるため、電源を切ってもデータは保持されます。仮想メモリと物理メモリは補完的な関係にあり、物理メモリが不足した場合に仮想メモリが活用されますが、仮想メモリの使用が多くなるとシステムの動作が遅くなる可能性があるため注意が必要です。
仮想メモリを使用するメリットとデメリットとは
仮想メモリは多様な状況でパソコンを使用できるようにする便利な仕組みですが、デメリットも存在します。ここでは、仮想メモリのメリット・デメリットについて解説します。
仮想メモリを使用するメリット(RAMの容量不足を解消する)
仮想メモリは、物理メモリ(RAM)が不足している時にストレージを一時的なメモリとして活用するため、アプリケーションやソフトウエアをスムーズに動作させることができます。例えば、複数のアプリを同時に開いても、システムがフリーズせずに安定して動作する点がメリットです。さらに、物理メモリを増設しなくても、仮想メモリを活用することでパフォーマンスを改善できます。特に、画像処理や動画編集などのメモリを多く消費する作業を行う際に、仮想メモリは有効な手段になるでしょう。
仮想メモリを使用するデメリット(処理が遅くなることがある)
仮想メモリの使用にはデメリットも存在します。ストレージ、特にHDDのアクセス速度は物理メモリよりも遅いため、仮想メモリを多く使用すると処理速度が低下する可能性があります。また、仮想メモリを使用することで、ストレージの空き容量が減少し、他のデータ保存に影響を及ぼすことがあるでしょう。さらに、仮想メモリの使用が過剰になると、「スラッシング」と呼ばれる現象が発生し、システム全体のパフォーマンスが著しく低下することがあります。これらのデメリットを避けるためには、物理メモリの増設や、仮想 メモリの設定の最適化が必要です。
仮想メモリの設定・変更方法とは(Windows 11)
Windows 11で仮想メモリを設定・変更する手順は以下の通りです。
1.スタートメニューを右クリックし、「システム」を選択する
2.画面右側を下方向へスクロールし、「バージョン情報」をクリックする
3.「バージョン情報」画面右側にある「システムの詳細設定」をクリックする
4.「システムのプロパティ」ウィンドウが表示されたら、「詳細設定」タブを選択する
5.「パフォーマンス」欄にある「設定」ボタンをクリックする
6.「パフォーマンスオプション」ウィンドウが表示されたら、「詳細設定」タブを選択する
7.「仮想メモリ」欄にある「変更」ボタンをクリックする
8.「仮想メモリ」ウィンドウが表示されたら、「すべてのドライブのページングファイルのサイズを自動的に管理する」のチェックを外す
9.リストから仮想メモリのサイズを変更したいドライブを選択して、「カスタムサイズ」を選択する
10.「初期サイズ」と「最大サイズ」に希望する値を入力し、「設定」を選択する
11.設定完了後に「OK」をクリックし、確認メッセージが表示されたら「OK」をクリックする
ウィンドウを全て終了し、パソコンを再起動すると完了
以上の手順で、Windows 11の仮想メモリの設定を変更できます。
仮想メモリの推奨設定値とは
仮想メモリの推奨設定値は、物理メモリの1.5倍から3倍程度が一般的に推奨されています。例えば、物理メモリが8GBの場合、仮想メモリの設定値は12GBから24GBです。この範囲内で設定することで、システムの安定性を保ちながら、必要なメモリ容量を確保できます。物理メモリの容量が分からない場合は、スタートメニューを右クリックして「システム」を選択→「バージョン情報」で確認しましょう。なお、この倍率は目安となるガイドラインです。使用するメモリの量やシステムの設定、ストレージの空き容量などに応じて検討する必要があります。
仮想メモリの設定でパフォーマンスが改善しない時の対処法とは
仮想メモリの設定を変更してもパフォーマンスが改善しない場合、以下の対処法を検討してみて下さい。
- メモリ使用量が多いソフトウエアを変える
使用しているアプリケーションが大量のメモリを使用している場合、軽量な代替ソ フトウエアへ切り替えることでシステムの負荷を軽減できる。メモリの使用量はタ スクマネージャーから確認可能。 - メモリを増設する
物理メモリの容量が不足している場合、メモリの増設を行うことで仮想メモリの使 用を減らし、システムのパフォーマンスを向上させることができる。 - パソコンを買い替える
現在のパソコンの性能が低く、仮想メモリの設定変更だけでは改善が難しい場合、 より高性能なパソコンへ買い替えることで快適な作業環境を実現できる。
これらの対処法を試すことで、仮想メモリの設定変更だけでは解決できなかったパフォー マンスの問題を改善できるでしょう。
仮想メモリを使っても動作が遅い?買い替えにおすすめのNECパソコン
NECは、スペックをカスタマイズできるBTO(Build To Order)パソコンを販売しており、メモリ容量などを調整できます。ここからは、NECがおすすめするBTOパソコンをご紹介します。
※スペック表はカスタマイズモデルのものです
画面が大きくて使いやすい「LAVIE Direct N16(R)」
商品詳細はこちら
「LAVIE Direct N16(R)」は、16.0型の大画面ディスプレイを搭載したノートパソコンです。Microsoft Officeでの作業や動画視聴が快適で、作業効率・臨場感が向上します。また、AMD 7000シリーズのCPUを選択でき、高いパフォーマンスを発揮します。メモリは最大32GBまで対応しており、高度なマルチタスクにも対応可能です。さらに、キーボードにはテンキーが搭載されており、効率良く事務作業をこなせます。
| OS | Windows 11 (Home/Pro) |
|---|---|
| CPU | AMD Ryzen (3 7335U/5 7535U/7 7735U) |
| グラフィックボード(GPU) | AMD Radeon 680M グラフィックス/AMD Radeon660M グラフィックス(どちらもCPUに内蔵) |
| メモリ | 8〜32GB |
| ストレージ(SSD) | 256GB〜2TB |
| ディスプレイ | 16.0型ワイド スーパーシャインビューLED IPS液晶(広視野角)(WUXGA) |
| 外部インターフェイス | ・USB Type-C × 1 ・USB Type-A × 2(内1ポートはパワーオフUSB充電機能付き) ・HDMI × 1 ・LAN × 1 ・ヘッドフォンマイクジャック × 1 |
| 重量 | 約2.1kg(大容量バッテリー選択時2.2kg) |
| バッテリー駆動時間(アイドル時) | 約8〜約14.2時間 |
質感の高い「LAVIE Direct SOL」
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「LAVIE Direct SOL」は、13.3型のコンパクトなボディに高性能を詰め込んだノートパソコンです。CPUは第13世代のインテル Core iシリーズからを選択でき、日常的な作業から高負荷な動画編集まで幅広く対応します。ディスプレイはWUXGA(1920×1200)解像度のIPS液晶を採用し、鮮やかな色表現や広い視野角が魅力です。また、温度変化や衝撃への強さを示すMIL規格に準拠しており、堅牢性も高くなっています。さらに、天面やパームレスト、底面にシルクタッチコートを採用しており、指紋やきずが付きにくく、手触りも良好です。
| OS | Windows 11 (Home/Pro) |
|---|---|
| CPU | インテル Core ( i7-1355U/i5-1335U/i3-1315U) |
| グラフィックボード(GPU) | インテル Iris Xe グラフィックス(プロセッサーに内蔵) |
| メモリ | 8〜32GB(デュアルチャネル対応) |
| ストレージ(SSD) | 256GB〜2TB |
| ディスプレイ | 13.3型ワイド スーパーシャインビューLED IPS液晶 (広視野角・高輝度・高色純度・タッチパネル) (WUXGA: 1920x1200) |
| 外部インターフェイス | ・USB Type-C × 3 ・ヘッドフォンマイクジャック × 1 |
| 重量 | 約1,197g |
| バッテリー駆動時間(アイドル時) | 約23.2時間 |
デスクを広く使えるデスクトップ「LAVIE Direct A27」
商品詳細はこちら
「LAVIE Direct A27」は、27型の大画面ディスプレイを搭載したオールインワン型デスクトップパソコンです。ウィンドウを並べても視認性を確保できるので、快適にマルチタスクを行えます。また、画面の高さや角度を調整でき、自分に合った作業環境を整えられるのも魅力です。さらに、ゲーム機やパソコンが接続できるHDMI入力端子を備えており、マルチ画面を構築したり、迫力あるゲームプレイができたりします。CPUには第13世代のIntel Core i5/i7を搭載し、仕事や趣味に幅広く活用できるデスクトップパソコンです。
| OS | Windows 11 (Home/Pro) |
|---|---|
| CPU | インテル Core ( i7-1355U/i5-1335U) |
| グラフィックボード(GPU) | インテル Iris Xe グラフィックス/インテル UHD グラフィックス(プロセッサーに内蔵) |
| メモリ | 8〜32GB |
| ストレージ(SSD) | 256GB〜2TB |
| 外部インターフェイス | ・USB Type-C × 1 ・USB Type-A × 3(内1ポートはパワーオフUSB充電機能付き) ・HDMI × 1 ・LAN × 1 ・ヘッドフォンマイクジャック × 1 ・SDメモリーカードスロット×1 |
| 画面サイズ | 27型ワイド スーパーシャインビューLEDIPS液晶(広視野角・高色純度)(フルHD) |
| 重量(本体のみ) | 約11.0kg |
仮想メモリの設定はパフォーマンス向上につながる
仮想メモリは、物理メモリが不足した時にHDDやSSDなどのストレージを一時的にメモリとして使用する仕組みです。この機能により、複数のアプリケーションを同時に使用してもシステムが安定し、快適に作業を行えます。しかし、ストレージのアクセス速度は物理メモリより遅いため、過度の使用は処理速度の低下につながるため注意が必要です。仮想メモリの設定を調整し、快適に使用できるようにしてみましょう。
NECは、メモリやストレージの容量、CPUの種類などを選択できるBTOパソコンを販売しています。多様なスタイルの製品をラインナップしているので、ぜひ下記の公式サイトをチェックしてみて下さい。
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