ゲーミングPCに必要なメモリは何GB?
ストレージとの違いも解説
2023.09.28(THU)
2023.09.28(THU)

ゲーミングPCを購入しようとしている方の中には、どのくらいのメモリが必要なのか分からないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。近年リリースされているゲームは、16GB以上のメモリを搭載したゲーミングPCを用意すると快適に動作する場合が多いです。
本記事では、ゲーミングPCに必要なメモリや、各メモリの容量の特徴と選び方、ストレージとの違いなどについて解説します。これからゲーミングPCを新しく購入したいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
ゲーミングPCのメモリとは

ゲーミングPCに搭載されているパーツのひとつである「メモリ」とは、データを一時的に記憶するためのパーツのことです。パソコンがさまざまな処理を行うためには、処理に必要なデータを一時的に記憶しておく場所が必要であり、その役割を担うのがメモリとなります。
例えば、電卓で「A+B」の結果Cを求めた後で、そのCを使って「C×D」を計算するとき、「A+B」の結果Cを一時的に記憶するためにメモリー機能(M+、M-、MRCなど)を活用するでしょう。このメモリー機能が、ゲーミングPCにおけるメモリに相当します。
処理に必要なさまざまなデータをメモリに記録しておくことで、パソコンは複雑な演算をスムーズに行い、最適な結果を返すことができるのです。
ゲーミングPCのメモリの特徴
ゲーミングPCのメモリは、容量が大きいほど作業に余裕が出やすくなり、操作の快適性が高まるという特徴があります。メモリが不足するとスムーズな操作が難しくなり、操作に悪影響を及ぼす可能性が高いため、用途に合った容量のメモリを選ぶことが大切です。
ここでは、ゲーミングPCのメモリの特徴や現在主流の規格、メモリが不足すると何が起こるのかなどについて解説します。
容量が大きいほど作業に余裕が出やすくなる
前述のように、メモリとはパソコンの内部で処理中のデータを一時的に記憶するためのパーツです。
メモリの容量が大きいほど、記憶できるデータの量が増えるため、作業に余裕が出やすくなります。結果として動作のもたつきやカクつきを抑えて、快適にゲームをプレイできる可能性が高くなります。
ただし、容量が大きければ大きいほど、無制限に快適性が高まるというわけではありません。64GBなどのあまりに大きすぎる容量のメモリを搭載しても、ゲーミングPCのスペックがメモリの性能を引き出しきれないため、一定の容量以上になるとそれほど快適性に変化が見られなくなってきます。
ゲーミングPCの全体的なパーツをバランスよく揃えて、それぞれのスペックを最大限に引き出せるような構成を選ぶことが大切です。
現在の主流は「DDR4」
メモリには「DDR2」や「DDR3」など、複数の規格があります。2023年7月現在、ゲーミングPC市場で主流となっている規格は「DDR4」で、「DDR4-17200」や「DDR4-19200」「PC4-21333」などの種類があります。
技術的にはさらに高速なデータ転送を可能とする「DDR5」も発表されており、今後はゲーミングPCの市場に出回っている機種も、少しずつDD5のメモリを搭載したものが増えてくる可能性はあるでしょう。
ゲーミングPCが対応しているメモリの規格と、実際に挿し込んだメモリの規格が一致していないと、ゲーミングPC側が認識できず、メモリを動かすことができません。そのため、メモリを後から増設する場合は、規格を正しく確認しておくことが求められます。
メモリが不足するとどうなるのか
ゲーミングPCでの作業中にメモリが不足すると、「パソコンが急に重くなる」「動作や反応速度が落ちる」といった症状を引き起こす可能性があります。一時的に反応速度が落ちる程度で元に戻る場合もありますが、極端にメモリが不足して処理を継続できなくなると、ゲーミングPCがフリーズし、再起動を余儀なくされるおそれもあるでしょう。
ゲームをプレイしている場面でメモリが不足すると、「ロード時間が長くなる」「フレームレートが下がる」などの症状がよく見られます。ロード時間の長期化やフレームレートの低下が起こると、プレイの快適性が著しく低下したり、オンライン対戦に著しい悪影響を及ぼしたりすることが考えられます。
ゲーミングPCに必要なメモリの容量

ゲーミングPCに必要なメモリの容量は、ゲームタイトルやフォーマットによって要件が異なります。そのため、プレイしたいゲームに応じて最適なメモリの容量をチェックする必要があります。
ゲーミングPCを購入する前に、プレイしたいゲームの「必要スペック」と「推奨スペック」を調べておき、どの程度のメモリを用意しなければならないのかを把握しましょう。
ただし、現在リリースされているパソコン向けゲームをプレイするなら、一般的には16GBのメモリが搭載されていればカバーできます。インターネットやボイスチャットなどの作業とゲームを並行してプレイしたい人は、少なくとも16GBのメモリが組み込まれたゲーミングPCを選ぶことをおすすめします。
代表的なメモリ容量の特徴と選び方
ゲーミングPCや普通のパソコンに搭載されているメモリの容量には4~64GBと幅があるため、用途に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。一般的には、前述のように16GBのメモリを基準にすると、多くのゲームに対応できて安心です。
ここでは、4GB、8GB、16GB、32GB、64GBの5種類のメモリ容量の特徴と、最適なメモリ容量の選び方について解説します。
4GB
4GBのメモリは、容量のごく軽いゲームであればぎりぎり動く場合もありますが、ゲームをプレイすることを前提とすると力不足になる可能性が高いです。
多くのゲームの必要スペックは8GB程度に設定されているケースが多いため、4GBのメモリが搭載されたパソコンで無理に動作させようとすると、カクつきが激しくなったりパソコンがフリーズしたりするおそれがあります。
ただし、一般のパソコンで作業を行う分には、インターネットでWebサイトを閲覧したり、動画を視聴したり、資料を作成したりする程度なら十分に動作します。ゲームをプレイする目的でなく、一般的な事務作業が目的で、予算を優先するのであれば選択肢のひとつに入るでしょう。
8GB
多くのゲームを快適にプレイするためには、8GBのメモリが最低ラインになります。
前述のように、近年公開されているゲームの多くは必要スペックが8GB程度に設定されています。そのため、ゲーミングPCを快適に使用するなら、少なくとも8GBのメモリが搭載されているゲーミングPCを選ぶのがおすすめです。
ただし、ゲームのみであれば8GBでも快適に動作するものも多いものの、ボイスチャットやインターネットなど、複数の作業と並行して使用する場合は力不足の可能性があります。最近はゲームの必要スペックも上がってきているため、特別な理由がない限り、8GBよりも16GBのメモリが搭載されたゲーミングPCを購入することが望ましいでしょう。
16GB
近年発売されている多くのBTO品(メーカー側がパーツを組み上げて出荷する既製品のゲーミングPC)には、16GBのメモリが標準で備わっています。そのため、現在のゲーミングPCのメモリは16GBが基準と言えるでしょう。
16GBのメモリが搭載されているゲーミングPCなら、大半のゲームを快適に動作させられます。インターネットや動画視聴、ボイスチャットなど、複数の作業を問題なく並行して行えるため、快適性を追求するなら、最低でも16GBのメモリが搭載されている機種を選ぶことをおすすめします。
ただし、3DCGのモデリングやアニメーションを多用した動画制作などを行う場合は、さらに容量の多い32GBのメモリが搭載されたゲーミングPCの購入を検討すると良いでしょう。
32GB
3DCGのモデリングやアニメーションを多用した動画制作などを行う場合など、一般的なゲーミングPCよりもパワフルなスペックが必要な場合には、32GBのメモリを選択することが推奨されます。
16GBのメモリが搭載されたゲーミングPCではスペックが不十分な場合もあるため、ゲームをプレイするよりもクリエイティブな作業が中心の場合は、メモリの容量を多めに確保することを意識しましょう。
また、動画配信を行う場合も、32GBのメモリが搭載されているとスペックに余裕を持てるのでおすすめです。
32GBのメモリのスペックを最大限に引き出すためには、ゲーミングPC本体もハイスペックなものを選ぶ必要がある点には注意が必要です。
64GB
ゲームをプレイする目的でゲーミングPCを購入するのであれば、64GBのメモリはオーバースペックになる可能性が高いため、基本的には32GBまでのメモリに留めておくことをおすすめします。無理に64GBのメモリを選んだとしても、スペックを十分に発揮しきれないまま、購入費用が高額になってしまうおそれがあります。
64GBのメモリを搭載したゲーミングPCを購入するのは、複雑な3DCGのモデリングなど、大容量のメモリを必要とする理由がある場合に限定されます。とはいえ、専門性の高いモデリングを行うなら、専用のタワー型パソコンなどを購入した方が良い場合も多いです。基本的には、ゲーミングPCのメモリは32GBを上限にして、目的に合わせた容量を選びましょう。
メモリとストレージの違い
ゲーミングPCに必要不可欠な「データを記憶するパーツ」のひとつとして、メモリの他にストレージがあります。ストレージは一時的に作業用のデータを書き込むためのメモリとは異なり、データを中期的に保存する役割を持っています。
ここでは、メモリとストレージの役割の違いや、具体的な種類について解説します。
データを中長期的に保存できる
前述のように、メモリは「処理中のデータを一時的に記録するためのパーツ」です。そのため、必要な処理が終わると、メモリに書き込まれたデータは消去され、他の作業が始まるまでの間は容量が解放された状態になります。
一方のストレージは、画像や写真などのファイルを中長期的に保存し続けることを目的としているパーツです。ストレージに保存されたデータは、基本的にはユーザーが自分で消去しない限り残り続けます。このことから、容量の上限に達すると、既存のデータを消去して容量を確保しなければ、それ以上新たなデータを保存することはできません。
ストレージとメモリは、どちらもゲーミングPCに欠かせないパーツです。ゲーミングPCを快適に使用するためには、用途に合ったスペックのものを選ぶことが大切です。
SSDとHDDの2種類に分かれている
ストレージには、「SSD」と「HDD」の2種類があります。SSDはデータの読み書きが速いため、スピーディーな処理が求められるゲームデータの保存に向いています。一方のHDDは大容量で安価な点がメリットで、動画や画像などのデータを保存するのに向いています。
ゲーミングPCを購入する際に、どちらか一方のストレージだけを搭載するなら、ゲームデータの保存に向いているSSDをおすすめします。
ただし、ゲームデータ以外のさまざまなファイルも保存しておきたい場合は、「SSD+HDD」のストレージ構成がおすすめです。SSDにゲームデータを保存し、HDDに動画や画像などのデータを保存することで、両者のメリットを最大限に活かせます。
ゲーミングPCにおすすめのストレージ容量とは?

遊びたいゲームや、インストールしたいアプリケーションの数・容量などによっても異なりますが、ゲーミングPCを購入するなら、最低でも500GBのストレージ容量は確保しておくと良いでしょう。3~5タイトル程度の複数のゲームを1台のゲーミングPCでプレイしたい場合は、1TB以上のストレージを選ぶのもおすすめです。
まずは遊びたいゲームの公式サイトなどで必要な容量を確認した上で、最低限必要なストレージ容量がどの程度なのかを把握しましょう。その上で、必要な最低容量よりも少し余裕を持った容量のストレージを選ぶのが安心です。
特にSSDのみの構成の場合は、動画や写真などのファイルもSSDに全て保存することになるため、100~200GB程度は余裕を持った容量を選ぶことをおすすめします。
SSD+HDDのハイブリッド構成も検討しよう
最近では、BTO品を購入する際のストレージにはデフォルトでSSDが指定されているケースが一般的です。その上で、任意のオプションとしてHDDを追加できる機種や、最初から「SSD+HDD」の構成になっているものなど、さまざまな形式があります。
ストレージを選ぶ際は「SSD+HDD」の構成を意識して、SSDにOSやゲームデータの保存、HDDに動画やバックアップデータの保存などの形で使い分けると、SSDとHDDの長所を活かした運用ができるため、ゲーミングPCの使い勝手が向上します。
SSD単体の運用ではなく、SSD+HDDのハイブリッド構成も検討して、ぜひ快適な運用を実現しましょう。
ゲーミングPCを購入した後でメモリを増設する際の注意点
ゲーミングPCにはメモリの増設用スロットが備わっているものも多いため、購入した機種がメモリ増設に対応していれば、後から追加で挿し込んでメモリの容量を増設することも可能です。
ただし、メモリ増設を検討する際は、増設の妥当性やモジュール規格、メモリの形状などをよく確認する必要があります。ここでは、ゲーミングPCの購入後にメモリを増設する際の注意点を解説します。
増設が妥当かどうかよく検討する
ゲーミングPCの動作がスムーズではない場合に、メモリを増設すると状態が改善する可能性があります。しかし、実際には不具合の原因がメモリ以外の部分にある場合も多いため、安易にメモリ増設を決断する前に、メモリ増設が妥当なのかどうかをよく検討することが大切です。
まずはゲーミングPCのタスクマネージャーを起動して、「プロセス」の欄からメモリの使用率を確認してみると、現在のメモリの稼働状況を確認してみましょう。ゲームをプレイしている状態で常にメモリの稼働率が100%に近いようなら、メモリ不足が原因で動作がもたついたり、カクついたりしている可能性があるため、増設が有効な可能性が高いです。
増設可能な機種かどうか確認する
ゲーミングPCの購入後にメモリの増設を行う可能性があるなら、増設可能な機種かどうかを確認した上で購入する機種を選定する必要があります。ゲーミングPCの中には増設用のスロットが無いものもあるため、先走って増設用のメモリを購入してしまうと、後から使えないことが発覚して、メモリが無駄になってしまうおそれがあります。
また、最初からメモリの増設を前提としてメモリ容量が少ない機種を購入したものの、実は増設に非対応だったことが後から発覚した場合は、ゲーミングPC自体を買い替えなければならなくなる可能性もあります。
メモリの増設用スロットが用意されているかどうかを十分に確認した上で、希望の運用が可能なゲーミングPCを購入しましょう。
モジュール規格をチェックしておく
メモリには、動作周波数や転送速度の違いを示した「モジュール規格」という規格があります。新しいメモリを購入する際は、それぞれのメモリ同士のモジュール規格が合致しているものを購入することが大切です。
例えば「PC4-19200」というモジュール規格は、「DDR4 SDRAM」という種類のメモリの規格で、データ転送速度が19,200MB/sであることを表します。1台のパソコンに対して複数のメモリを挿し込む場合、全てのメモリの中で最も遅いデータ転送速度に統一されます。
例えば、「PC4-17000」と「PC4-19200」が1台のパソコンに混在している場合、データの転送速度は17,000MB/sに統一されます。このような理由から、モジュール規格が合致しているものを選ぶことが推奨されるのです。
メモリの形状を確認する
モジュール規格の他に、メモリの形状を確認して、対応するものを購入することも大切です。
メモリには、「DIMM」と呼ばれるデスクトップパソコンに中心的に使用されるものと、「S.O.DIMM」と呼ばれる、ノートパソコンやミニタワーなどの小型パソコンに使用されるものの主に2種類があります。このメモリの形状を「フォームファクター」と呼ぶこともあります。
メモリを増設する際は、使用中のゲーミングPCが「DIMM」と「S.O.DIMM」のどちらに対応しているのかをよく確認した上で、対応しているメモリを購入することが重要です。誤った形状のメモリを購入すると挿し込むことができず、ゲーミングPC側から認識できません。
メモリの増設は2枚までがおすすめ
一般的なゲーミングPCのマザーボードには、メモリを挿し込むためのメモリスロットが4つ用意されています。しかし、4つのメモリスロット全てにメモリを挿し込んで運用すると、機器のトラブルが発生しやすくなるというデメリットがあるため、基本的には挿し込むメモリを2枚までに限定することをおすすめします。
同時に4枚のメモリを挿し込んで運用すると、相性などの問題でお互いのメモリが干渉し合ってしまい、想定外のエラーを引き起こす可能性があります。特に4枚のメーカーが異なっている場合などには、予想していなかったエラーに悩まされることもよくあります。
また、2枚のうちの1枚が不具合を起こすより、4枚のうちの1枚が不具合を起こす確率の方が高いことから、相対的にトラブルに巻き込まれる可能性が高まることなども、メモリの増設を2枚までに留めておきたい理由のひとつです。
16GB以上のメモリを搭載したおすすめゲーミングPC

最後に、初心者にも扱いやすい、おすすめのゲーミングPCを紹介します。今回紹介するゲーミングPCは、どのようなゲームでも安定的に遊べる可能性が高い16GBのメモリを搭載している機種を中心に集めました。
これから初めてゲーミングPCを購入しようとお考えの方や、もう少し安定的に稼働するゲーミングPCを求めている方などは、ぜひ参考にしてください。
LAVIE Direct GX

LAVIE Direct GXは、比較的安価で購入できて安定的な稼働が期待できる、コストパフォーマンスの高さが魅力のゲーミングPCです。
CPUに「第13世代 インテル® Core™プロセッサー」、GPUに「NVIDIA® GeForce RTX™ 3060/NVIDIA® GeForce GTX1650 SUPER™」が搭載されており、軽量~中容量程度のゲームなら高いフレームレートで動作させることが可能です。容量の大きなゲームでも、設定を調節することで十分に快適なプレイが期待できます。
メモリはデュアルチャンネル対応の16GBメインメモリであり、Webブラウザで複数タブを開きながらの作業だけなく、ビデオ通話アプリを使用しながらのゲームプレイもスムーズです。
温度上昇による性能低下を防ぐ冷却システムを搭載しており、65WのCPUクーラーに加えて、フロントから取り込んだ空気で本体内部を効果的に冷却するエアフロー設計が採用されています。ゲーム中などの高負荷時でも、性能をダウンさせることなく、クールにプレイできます。
ハードウェアのデザインは、従来のゲーミングPCとは一線を画すオトナデザインです。算木崩しの模様はスタイリッシュな和を感じさせ、その隙間からこぼれる白い光は、素敵なゲーミング空間を演出します。
まとめ
ゲーミングPCに搭載できるメモリにはさまざまな容量がありますが、近年リリースされている多くのゲームは、16GBあれば快適に動くものが多くなっています。そのため、新しくゲーミングPCを購入するのであれば、16GB以上のメモリが搭載されている機種を選ぶことをおすすめします。
16GBのメモリを活かすためには、CPUやGPUなど、その他のパーツのスペックも重要です。16GBのメモリが搭載されているゲーミングPCの中から、自分のプレイしたいゲームや使いたいアプリケーションなどに合わせて、最適な1台を選びましょう。