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Chapter 02

昨日の疲労からかアヤトは高校で爆睡していた。ホログラムAIのハルちゃん先生がアヤトを起こそうとしている。
「アヤトくん、アヤトくーん、アヤトォー!!」
ハルちゃん先生の呼びかけにも、アヤトは全く起きる気配がない。
「ハルちゃん先生、アレいくしかないんじゃね?www」
シバやんが不敵に笑う。
「そうね…!みんな、対閃光防御!」
クラスの生徒たちは、慣れた手つきでバッと机に突っ伏した。
「せーの!起きろーッ!!」
次の瞬間、ホログラム発生装置から、まばゆい電流が流れる。脳天を突き抜ける衝撃にアヤトは飛び起きた。
「ぐぎゃあああ!!」

昼休み。アヤトは、校舎の屋上でDRAWのみんなとランチしていた。
独り言のように、ボソッとアヤトが話し始める。
「オレさ、昨日、ユーコに会っちゃったんだよね」
「マ、マ、マ、マジでェ!?」
「やっぱ、可愛かった!?」
「そりゃ、可愛かったけど、なんか、違う世界の住民というか…」
シバやん達のいつものハイテンションに、なぜかついていけないアヤト。
それくらい昨夜のユーコとの邂逅は未だに信じられなかった。
「サ、サイネージジャックのこと、なんか言ってた!?」
シバやんが、ドキドキしながら問いかける。
「ああ、『私のオープンソースをまんま使うとか、ダサすぎ』って言ってたぞwww」
シバやんのリアクションに期待して、ちょっと意地悪く答えるアヤト。
次の瞬間、屋上に置かれたカラーコーンに顔を突っ込んだまま動かなくなる
シバやん。
「……穴があったら入りたい…」
「うっわ、めんどくせェェェ!!!!」
「ユーコちゃんもプログラム使ってもらって本当は喜んでるって!な!?」
「嬉しい時ほど素直になれないのが、乙女心なの!」
必死に慰めるDRAWのメンバーら。
彼らの騒ぎに参加せず、一人旗を振るハタ坊。
「平和よのう…」

放課後、DRAWのメンバーと別れ、一人で下校するアヤト。その時を見計らったかのように、黒塗りの高級エアカーがアヤトの近くで音もなく停車した。窓が開き、いかついロマンスグレーの男が顔を出す。1000人のメンバーを有し、トップテン常連のビジネス系クラウドHIGHER×HIGHER inc.のリーダー、トガワだった。
「こんにちは。アヤト君だね」
「え?あんたは…」
「わたしは、HHのトガワという者だ。ちょっとだけ付き合ってはくれないかな?」
明らかにヤバそうな笑顔に身構えするアヤトだったが、いつの間にかHHメンバーのジョーと轟に囲まれていた。アヤトは逃げる間も無くエアカーに乗せられ、彼らのアジトへと連行されてしまった。

超々高層ビル群にあるHIGHER×HIGHER inc.本社ビルの高層階。アヤトはデザイナーズソファに足を組みながら深く腰掛け、出されたコーヒーを優雅に飲むことで「オレ、ビビってないんで」アピールをするも、震えるカップが歯に当たりカチカチ音をたてていた。
「んで?オ、オ、オレに何の用すか?」
トガワは、室内で異様な存在感を放つ巨大サイネージをオンにした。
「君は、この子と、このギアのことを知っているね」
サイネージに映っていたのは、隠し撮りされていた昨夜のユーコとアヤトだった。
ユーコが持っている青色のギアが、拡大表示されている。
「私は、彼女と、彼女が持っている『VEGA』の行方を追っているんだ」
「え、『VEGA』?…いやいやいや、僕、知らないっすよ!ひ、人違いじゃないっすかー?」
すると次に巨大サイネージに映し出されたのは、シバやんの家だった。
「え!?」
見慣れた風景に驚くアヤト。部屋のカーテンの隙間にズームして行き、ユーコのガレージキットフィギュアを熱心に制作するシバやんが映し出される。
「キミのお友達がどうなってもいいのかい?」
「…て、てめえ!」
アヤトが立ち上がろうとしたその瞬間、貧血のように、足がふらついてしまう。
どうやらコーヒーの中に自白剤が入っていたようだ。
命の危険を感じたアヤトは、咄嗟にスマホで部屋の巨大サイネージをジャックし、閃光を発するグラフィティをボムした。思わず顔を逸らし、手で光を遮るトガワ。部屋の入り口に立っていたジョーと轟の目も欺く事に成功したアヤトは、フラフラになりながらも似非パルクールを駆使して、高層階の部屋から逃げ出した。命からがらダストシュートを滑り降り、なんとかビルの外に出たものの、超々高層ビル群の複雑に入り組んだ路地は、監視カメラで埋め尽くされていた。
不気味なほど静かで真っ暗な路地。勘だけを頼りに進んでいくアヤト。しばらく走り続けるも、やけに静かな背後が気になり、振り返ってみる。
「はぁはぁ、まいたか?」
次の瞬間、強烈なハイビームがアヤトに降り注いだ。
なんと、HHメンバーが乗る小型モビリティ集団がすぐ側に隠れていたのだった。
「いたぞォォ!」
「うわッ!」
光と自白剤で目が回るなか、数台の小型モビリティの追跡を逃れるべく、アヤトは力を振り絞り走り出した。
「逃すなァ!」
「うわあああっー!!」
まさに絶体絶命と思ったその時、白い旧型のガソリンバイクが大きなエンジン音をあげて飛び込んできた。光学迷彩に身を包んだユーコだった。
「乗って!」
間一髪、アヤトはまたもや彼女に助けられた。

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